坂口杏里さんは“ホスト依存症”? --- 田中 紀子

寄稿

昨日、ショッキングな記事が、ネットに出回りました。
故・坂口良子さんのお嬢さんで、タレントの坂口杏里さんがホストにはまり、遺産を全て使い果たしたあげく、500万円の借金、その上、その借金を清算するべくAVデビューするというのです。

タレント・坂口杏里がアダルト転身!すでに所属事務所を退社(Web東スポ)
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/589230/

ギャンブルで何千万単位の借金をする人たちを見てきた私からすれば、500万ほどの借金で、なにもAVに出演しなくても、芸能界で地道にお仕事をされていればいいと思うのですが、やっぱりホスト遊びもある種の“依存症”に陥ってしまうのではないかと感じました。

つい先日は、やはりホストに入れあげたタレント医師の脇坂英理子容疑者が、診療報酬詐欺で逮捕・起訴されましたが(脇坂恵理子 診療報酬詐欺で逮捕)、ホストの場合も、いきつくところまでいくと、
やはり犯罪にまで手を染めてしまうのでしょうか。

私の所にも、年に2,3件は、やはり「娘がホストにはまって、借金を繰り返している」という相談を受けます。

そこで、ホスト依存から回復した仲間に、ホスト依存とはつまり何なのか!?を昨晩インタビューさせて貰いました。ホスト依存で悩んでいる、ご本人やご家族、相談窓口などのご担当者の参考になれば幸いです。

まず、仲間がはまってしまった、大体の経緯ですが。

・友達が働き始めたので、遊びに行き始めた。
・2時間5000円飲み放題 最初の体験
・次に来た時は、自分とホストが飲んだ分だけ支払う。
・その頃は1万円位で遊べており、ボトルを入れた時だけ3万円位。週1回位行く程度だった。

・ホストになった友達はさっさとやめてしまったが、従業員と仲良くなったので、遊びに行くのが楽しみになっていった。
・貯金が100万あったので、1,2年はもった。
・4~5年目ぐらいから毎日通うようになり、借金するようになった
・仕事帰りにホストクラブに行き、夜中に帰って、また起きて仕事はちゃんといく
・自分は殆ど飲めないので、周りのホストががぶがぶ飲んでいた。

・毎回、帰り道では「何をやってるんだろう・・・」一気にむなしくなる
・ある程度使う金額を決め1~3万にしようと思って行くのに5~10万とか使ってしまう。
・担当の誕生日にシャンパンタワーをやり、一晩で最高200万円を使った。
・親の借金の尻拭いは、およそ2000万円に及んだ。

という感じだったそうです。

ギャンブルとほぼ同じ経緯ですね。
最初は、自分のお小遣いの範囲で遊ぶことができていたのに、どこかの時点でタガが外れ(発症し)、
もう自分の力ではコントロールができなくなる。

使う金額も、ギャンブルと同じ位。
でも、ホストはリターンが全くないわけですから、お金が減るのはもっと早いわけですよね。

我々ギャンブラーは、どんなくすぶりだって時々はあたりますからね。そして、ある日ぽ~んと大金を使ってします。一晩で最高200万円は、私がカジノで使ってしまった最高金額と同じです。

で、仲間にインタビューさせて貰って、気がついたのですが、ホスト依存って、つまりは共依存なんですよね。

「自分のお気に入りの担当の売り上げをあげてあげたい!」

「自分の担当者のメンツをたたせなければ!」

こんなことを考えて、お金を突っ込んでしまうんだそうなんですね。
つまり、ギャン妻(ギャンブラーの妻)の「この人を何とかしなければ!」という、あの必死な気持ちに似ているのではないでしょうか。

そして、大金を使ったことのある人ならわかるなんとも言えない恍惚感。
若い年齢で大物感が芽生えるわけですね。注目をあびたり「すごい!」って言われるのが快感になるわけです。

で、仲間はどうやってここから抜け出せたのか?
こっからが肝心な訳ですが、この続きは、また次回に。


編集部より:この記事は、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2016年9月8日の記事を転載しました(見出し、本文の一部をアゴラ編集部で改稿)。画像は坂口杏里氏の公式ツイッターより。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。