精神科医が警鐘!間違った医療情報に惑わされてはいけない

2016年12月17日 06:00
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写真は講演中の樺沢医師。

DeNAの医療キュレーションサービス「WELQ」に掲載された医療情報の信憑性や制作プロセスに批判が相次いだことは記憶に新しい。情報サイトは対象ではなかったが「WELQ」は薬機法の観点から問題があると判断されたのである。ここに、「私たちに伝えられている医療情報には間違っているものが多い」と、警鐘をならしている精神科医がいる。

精神科医、作家として、精神医学や心理学の情報を発信している、樺沢紫苑(以下、樺沢医師)は、「日本で最もインターネットに詳しい精神科医」として、雑誌、新聞などの取材やメディア出演も多い。今回は、「うつ病」や「こころの病気」に関する話について伺った。近著に『脳を最適化すれば能力は2倍になる』(文響社)がある。

■間違った医療情報に惑わされない

樺沢医師は、「私たちに伝えられている医療情報には間違っているものが多い」と警鐘をならす。例えば、一般的には、うつ病にはセロトニンが効果があるとされている。セロトニンが低下することで、心身のバランスが崩れる危険性があることは知られているが、私たちはセロトニンに関する一部の情報しか知らない。

「人間はストレスに直面すると、セロトニンが低下します。ストレス状態とは闘うか逃げるかの緊急事態ですから、のんびりと『癒しモード』ではいられません。癒しの物質であるセロトニンが、抑制されるのです。さらに、長期にストレスにさらされると、セロトニン活性が低い状態のまま固定化してしまいます。これが『うつ病』の状態です。」(樺沢医師)

「セロトニンは不安をやわらげる作用があると言われています。そのセロトニンが低下すると不安が現れるのです。これが極端にひどくなると、強い不安感を症状とする『強迫性障害』や『パニック障害』などに移行する可能性があります。」(同)

視床下部に投射したセロトニンは「食欲や嘔吐」などにも関わるそうだ。これが進行すると食欲のコントロールができない「摂食障害」となり、過食などの症状を引き起こす。また、視床下部は「睡眠と党醒」に関わっているため、セロトニンが低下すると「睡眠障害」などの原因にもなる。

「セロトニンの低下は恐ろしい状態を引き起こします。セロトニンの活性が悪い人は、見ただけでわかります。まず表情に覇気がない。そして全体に元気がないのです。セロトニンは表情や姿勢に影響を与えますから、活性が悪いと大脳基底核の主要な構成要素のひとつである『線条体』を通して、表情筋や抗重力筋を弛緩させてしまうのです。」(樺沢医師)

■正しい医療情報にふれる機会を増やす

樺沢医師によれば、セロトニンのメリットを話すと、「だったら、薬で増やせばいいんじやないの?」と、短絡的に考える人が必ず居るそうだ。

「数十年前から使われている昔ながらの抗うつ薬『3環系抗うつ薬』とSSRIを比較したいくつかの研究では、SSRIによって引き起こされる自殺率は、3環系抗うつ薬と同程度という結果になっています。うつ病や強迫性障害の患者さんにSSRIを投与して「イライラが強まる」ということは、私も実際の患者さんで経験したことがあります。」(樺沢医師)

「これはSSRIの投与を減らすか中止すれば収まります。医師とよく相談して薬を服用するのは、精神科も内科の薬も同じことです。逆に精神疾患でない人はSSRIを飲んではいけません。副作用の危険性があります。」(同)

しかし、薬を飲まずにセロトニンを活性化する方法があるとのことだ。

「セロトニンを活性化させるには、『日光を浴びる』『リズム運助』『咀嚼』を毎日行う。そして共感力を高めるだけで、充分に効果があるものと思われます。安易に薬に頼るようなことは控えなければいけません。」(樺沢医師)

薬の副作用や弊害についてもに正しい知識の習得を心がけたいものである。また、本書には、人間の能力について脳のどの部分がどのように関与しているのか、強化するには何をすべきなのか、具体的な方法を学術的根拠に基づき紹介している。脳科学をベースにした新しい仕事術について学ぶことができるだろう。

尾藤克之
コラムニスト

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尾藤 克之
コラムニスト/経営コンサルタント

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