ロッテ球団と千葉テレビはもっとシナジーあると思う

2017年01月30日 07:30

あさってプロ野球がキャンプインを迎える。今日あたりから首脳陣、選手たちのキャンプ地入りも本格化してくるはず。野球記者の仕事はあまり向いていなかったが、2009年にロッテの石垣島キャンプを取材した際には、今年と同じくWBCを控えていた。その時の経験からすると、侍ジャパンに選出予定の選手たちの動向を軸に追いかけることになるのだろう。

急に野球のことを書くきっかけになったのは、実は去年取材した千葉テレビさんからの売り込みだ(笑)。なんでも、きょう30日とあす31日、2夜連続でニュース番組「NEWSチバ930」の特集として、里崎智也さんと小林至さんというロッテOBのお二人が、今年のチームを展望するのだそうだ。(参照:プレスリリース

里崎 小林

番組でロッテの今年を占う里崎さん、小林さん(千葉テレビ提供)

ロッテは2005年にリーグ優勝を果たしているが、2位から当時のプレーオフ制度を勝ち抜いての“認定優勝”。2010年もクライマックスシリーズを勝ち抜いて3位からの「下剋上日本一」(命名by 里崎さん)を遂げたが、レギュラーシーズン1位は、金田正一監督体制で優勝した1974年以来、ずっと達成していない。戦力不足、資金不足いろいろ原因は指摘されているが、同じような背景で低迷期が続いていた広島が昨年、25年ぶりのリーグ優勝を遂げた以上、言い訳もしづらくなっている。もちろん、戦力で圧倒的に上回るソフトバンク、連覇を狙う日本ハムを相手にするのは非常に厳しいことだが、そのあたりの厳しさも織り込み済みであろう里崎さん、小林さんがどう語るのか、注目している。番組では、里崎さんが「〇〇の活躍なくして優勝はない!」と、キーマンの名前を挙げるそうだ。

首都圏で失われた野球とテレビ局の“蜜月”は地方に存在

さて本題。余計なおせっかいと言われそうなものの、ロッテと千葉テレビ、あるいは同じ首都圏にあるDeNAとテレビ神奈川、西武とテレビ埼玉は、もっとシナジーを効かせた取り組みができるのではないかと思う。

巨人戦が地上波のゴールデンタイムから消えて久しい。首都圏にいると、プロ野球がすっかりBSコンテンツになって、存在感がメディアで薄くなった印象があるが、地方に足を運ぶと、まだまだ往年の巨人のような扱いを受けていることがわかる。その昔、日本テレビが夕方5時台のニュース番組でワンコーナーを作り、試合前の東京ドームから中継して試合の見どころを事前レポートすることがあったが、東京の地上波からは開幕時や日本シリーズ等の時期を除くと、すっかりお目にかかれなくなった。

ところが、たとえば北海道に行けば、夕方のニュース番組でシーズンを通じて、札幌ドームの試合前中継で、若手アナが元気にレポートし、日本ハムの球場からの熱気が道内のお茶の間にも伝えられることが珍しくない。ロッテの番記者時代、出張先でそうした首都圏在住者には“懐かしい”光景に出くわして驚いたものだ。ソフトバンクの福岡、楽天の東北でも同様に各球団が“巨人化”しているのだ。

その点、首都圏では、地上波での露出が減ったと言っても本家の巨人が主役になる。ヤクルト、ロッテ、西武、DeNAは、北海道や福岡のような破格の扱いはない。だからこそ、これら4球団は、BSやCS放送での露出、あるいはパ・リーグTVのようにネット上での配信に力を入れて球場外のファンとのリレーションを強めて宿命を乗り越えようと苦心している。

首都圏ローカル局だから持つ(?)野球メディアの強み

もちろん、先述したように、ロッテ、西武、DeNAは、地元に独立局(U局)があり、それなりに試合中継をしたり(テレビ神奈川は27試合)、あるいは応援番組を放送したりしてきた。しかし、従来の取り組みだけだと、試合中継はBSやCS、ネットとも競合する。また、ここは見落とされがちだが、ネット配信の高度化で、球団によるオウンドメディア発信も強化されていて、独立局が球団を賛美するだけの番組を作るだけなら、そうした球団自前のコンテンツとあまり変わらない。

やはり、テレビ局の力は企画と地域へのネットワークにある。ロッテ球団の場合、県内でマリンスタジアム以外の球場を使うことがないため、京葉線沿線の海浜幕張エリアと生活圏が異なる松戸・我孫子などの県内北西部の常磐線エリア、あるいは銚子などの県東部など遠方のファンをどう増やしていくのかが恒常的な課題になっている。10数年前に比べると、巨人ファンの比率は下がってきたと推測されるが、この間、後援会も営業担当者が奮闘して一つ一つ増やし、現在は成田、茂原、鴨川、市原、柏、富里、香取、山武、四街道といった遠方に発足している(参照:球団サイト「地域振興」ページ)。

千葉テレビに好機があるのは、球団が課題と感じている地域と、球団を結びつける役割だ。週末だけでも、できれば中継する毎試合ごとに現地でパブリックビューイングを行い、試合の合間に、地域のファンにテレビ出演してもらう。アーンド(第三者)メディアらしく、試合の負け方がひどい場合には、サンテレビで吠える虎党も驚きの、放送禁止ギリギリの辛口コメントを流して、愛するマリーンズに奮起を促せばいいのだ。球団発信のオウンドメディアでは、スタッフの体制的にそこまで手が回らないし、ましてやヤジなどのネガ露出はないだけに、テレビ局が作る意義がある。ほかにもグッズ、イベント等での協業も考えられるだろう。

このほか、キー局しか見ない県民や、スマホでYouTubeしか見ない若い世代へのリーチを増やすため、ネットメディア(自前 or 第三者含む)の活用など、ポテンシャルの余地は大きいのではないだろうか。

上記は思いつきの一例に過ぎないが、独立局が、地域の声を球団に届ける役割と、球団と地域をつなぐ役割の2つを果たせる余地はまだまだある。そんなことを思いながら、今夜の番組をチェックしてみようと思う。

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新田 哲史
アゴラ編集長/株式会社ソーシャルラボ代表取締役社長/NPO法人ICPF 情報通信政策フォーラム理事

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