銀行は障害者にどこまで対応しているか

2017年02月08日 11:10

全国銀行協会は2月1日付で障害者対応の基本方針をサイトに掲載した。障害者に対する差別のない接遇(均等な接遇の原則)を宣言したうえで、当該障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合には、必要かつ合理的な配慮を行うよう努めるというのが、その内容である。

「障害者差別解消法」は第八条(事業者における障害を理由とする差別の禁止)において、障害を理由とする不当な差別的取扱いを禁止した上で、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合には、必要かつ合理的な配慮をする努力を求めている。全国銀行協会の基本方針は「障害者差別解消法」の要求をそのまま受け入れたものになっている。

全国銀行協会のサイトには、各銀行の障害者窓口へのリンクも掲載されている。たとえば、みずほ銀行では「お客様相談室」が窓口で、電話番号が掲載され、問い合わせフォームも開くことができる。

欧州はどのように取り組んでいるだろうか。イギリスの情報メディア「QA Financial」は以下のように伝えている。

欧州議会は、銀行やその他金融業が障害者にサービスを提供する際にアクセシビリティに配慮するよう求める、欧州指令を起草している。オンラインでのサービスあるいは情報提供の際に、ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG2.0)に準拠するように金融業に求める、というのがその内容である。これは、米国における「障害を持つアメリカ人法」(ADA)と同一の規制基準である。

欧州の金融業は欧州指令を待たずに対応を始めている。また、ITベンダーはアクセシビリティテストをスピードアップするために自動化ツールの開発に動いている。アクセシビリティ専門チームの組織化も進めているという。

英国ではすでに施行されている「英国平等法」に基づいて対応が進められている。金融機関バークレイズ(Barclays)のサイトはWCAG2.0のレベルAAに準拠している。ウォーターフォール型のシステム開発では、途中でアクセシビリティ問題に気付いて手戻りすると損失が馬鹿にならないため、アクセシビリティテストを頻繁に実施しながら開発を進めていくのが肝要だそうだ。英国の金融機関がアクセシビリティに熱心なのは、「年金受給者は私たちの最も豊かな顧客」であるためだ。

全国銀行協会サイトとみずほ銀行サイトにはウェブアクセシビリティ方針が掲載されていない。欧州との差は歴然である。障害者への対応方針を明確にした今回の対応は評価できるが、欧州を先例として、ウェブアクセシビリティについても取り組んでほしい。

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