僧侶に聞いた!逃げちゃダメだ。でも、勇気ってなに?

2017年02月07日 06:00
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写真は向谷匡史氏。ブログより。

「逃げちゃダメだ」。これは、「新世紀エヴァンゲリオン」に登場する、碇シンジの台詞の一つ。 初号機に初めて乗る決断をする際に、「逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ…」とくり返し自分に言い聞かせるシーンはあまりにも有名だ。

では、「なぜ逃げてはいけないのか」「勇気とはなんなのか」と聞かれたときに答えられるだろうか。このような質問に対して、分かりやすい回答があるので紹介したい。『考える力を育てる 子どもの「なぜ」の答え方』の著者であり、浄土真宗本願寺派僧侶、保護司、日本空手道「昇空館」館長も務める、向谷匡史(以下、向谷氏)の見解である。

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■「組手」を嫌がる子供たち

――向谷氏は空手の道場を開いている。そこでは次のような光景が見られるようだ。

「子どもたちの多くは組手を嫌がります。組手というのは空手の練習の一つで、双方が対峙して、突いたり蹴ったりする攻防の一つです。安全には十分配慮していて、顔と胴には安全具を着けますし、手には『拳サポーター』という小さなグローブをはめます。」(向谷氏)

「子どもの場合、相手に当てると反則になりますからケガをすることはまずないのですが、一所懸命に戦っていると、溥く当たることがあります。だから。嫌がるのです。」(同)

――これは直接打撃せずに寸前で止める、 もしくはダメージを与えない程度に当てる「寸止め」というルールである。伝統派空手や流派によっては、寸止めルールを採用しているものが少なくない。

「嫌になれば当然、『私、試合に出たくない』『僕、型の試合だけにして組手は出ない』ということになります。野球やサッカーならレギュラーになって試合に出たがるのに、空手の場合は試合に尻ごみする。これはひとえに『痛い』という本能的な恐怖があるからでしょう。」(向谷氏)

「『逃げちゃダメだ!』『ここを乗り越えなきやだめだ!』と、私が声を張り上げても、『だって、痛いもん』。そこで、こう言ってみました。『キミたちには勇気がないのか?』。反発の返答を期待していたところが、『勇気って、バトルのこと?』と問い返されて、面食らったことがあります。ゲームの影響もあるのでしょう。」(同)

■まずは「自分と向き合う」こと

――いまは、学校でも課外でも、昔ほどに「勇気」ということを教えなくなった。昭和世代は「義を見てせざるは勇なきなり」と教えられものだが、現代社会は「余計なことに首を突っ込まない」という風潮が強い。「勇気」という言葉は口にしても、その意味までは理解できていない。

「人生において、勇気はとても大切なものです。いい機会なので、勇気について、こんなやりとりをしました。『注射か嫌いな人?』そう質問すると、『大嫌い!』と口をそろえます。『みんなの前で話をするのが嫌いな人?』これも『大嫌い!』です。『宿題が嫌いな人?』『大嫌い!』。『では、質問するね。大嫌いだからといって、やらなくていいのかな?』」(向谷氏)

「大嫌いなら、『注射しなくていいのかな?みんなの前で話さなくてよくなるのかな?宿題しなくていいのかな?』。どう思う?」(同)

――すると、次のように答えたそうだ。

「子どもたちは一瞬、黙ってから、『しなくちやいけない』と答えます。『そうだね。勇気とは、逃げようと思っても逃げられないことに対しては、逃げないで立ち向かっていくことなんだ』。私は。そう説明したのです。」(向谷氏)

「相手が中学生以上ともなれば、たとえば友人の窮地を救うため、わが身を捨てて敢然と立ち向かっていくことも勇気の一つとして話をします。私は小学生にはそこまで言いません。背伸びをした説明は、子どもたちが租借できないと思うからです。」(同)

――まず自分に向き合うこと。そこから話さすことが肝心なのかも知れない。なお、本書は子供向け教育に書き上げられたものだが、ケースにリアリティがあることから大人にもお勧めできる。上司のコネタとしても役立ちそうだ。多くのケースを理解することで物事の正しい道筋を見つけられるかもしれない。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からおしらせ>

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