女性空手家に聞く!痴漢冤罪のリスクと回避方法

2017年06月04日 06:00

写真は大類氏(こちらみんカメ編集部/Abema News)

最近、痴漢に関するニュースが多い。そしてとうとう痛ましい事件が発生した。「痴漢疑われた男性逃走、ビルから転落死 東京・上野」(日経新聞)。痴漢問題が多発する背景には、いくつかの問題点が存在すると考えている。これらの問題点を改善しなければ、今後も同様の事件は発生するだろう。

■どのようなリスクが存在するのか

想定できるリスクには次のようなものがある。巻き込まれれば甚大な影響を及ぼす。
・痴漢は女性の証言が優先される。また証拠がなくても逮捕される。
・痴漢はしてない側が証明しなければいけない。悪魔の証明である。
・痴漢により逮捕された場合、冤罪であっても社会的制裁が大きい。

痴漢が発生した場合、目撃者がいて被害者の証言と一致する場合、現行犯逮捕になる可能性が高い。電車内の場合、路上と異なり防犯カメラの証拠映像等が存在しない。そのため、犯人の特徴を確認する。しかし、状況判断でも信頼性が高いと判断されれば逮捕されることが多い。こと痴漢に関しては被害者の証言が優先される。

痴漢事件では、検察官が被害者証言などにより痴漢の存在を立証することになる。当初段階では、被告人が事実不存在を立証する必要はない。しかし被害者証言により事実が立証されれば、反対立証(証拠)が必要になる。この場合は「痴漢ではないことの立証(証拠)」が必要になることから、悪魔の証明に性質が近い。起訴後99%有罪、起訴率35%の現実から無罪を勝ち取ることは容易ではない。

痴漢で逮捕されれば、刑事訴訟法にしたがい手続が進んでいく。検察官送致、勾留、勾留延長、起訴・不起訴の処分で手順が進み、最長で逮捕日から23日間捕まった状態が続くことになる。起訴されれば期間は長引くことになる。

いまでは、安易に駅長室に行かないように注意喚起がされているが、いざ腕をつかまれて連行されれば気の弱い人ならついて行ってしまうだろう。しかし、駅長室に行ったら最後、逃れられる術は残されていない。対処する方法はないのだろうか。

■冤罪リスクを回避しなければ

今回、その対処方法を女性空手家に聞いた。ご協力いただいた、大類織絵(以下、大類氏)は、父親が剛柔流(空手の流派)の師範だったこともあり、子供の頃に剛柔流で黒帯を取得している。現在、女性向けの護身術を提供するかたわら、冤罪防止のためのセミナーや啓蒙活動をおこなっている。

実績は、全国空手道選手権大会県大会優勝、同全国大会出場、2014年ジャパンオープン硬式空手道選手権大会(成人女子の部、型・組手優勝/世界硬式空手道連盟主催)、月刊空手道杯優勝など輝かしい。最近では、結婚・出産を機にはじめた、空手をベースにしたエクササイズ方法が話題になり、TBS-BS「美容口コミ広場TV」、NHK-BS1「美スポ!スポーツでキレイに!」などの出演実績がある。

「 電車に乗っていて『この人痴漢です!』と声をあげられました。自分には全く身に覚えはありません。しかしそのような場面になれば、否応なしに腕をつかまれて電車から降ろされることは間違いないでしょう『たまったもんじゃない』と思っても周囲に味方はいません。さあどうすればいいでしょうか。」(大類氏)

「ある番組で、『痴漢と間違われたら逃げるのが一番』と弁護士が発言したことが話題になりました。いまでは多くの弁護士が対処方法をあげていますが賛否はわかれると思います。つかまっても冤罪、逃げたとしても準現行犯として逮捕される可能性がありますから、注意が必要です。」(同)

――ここで、線路から逃げる行為のリスクを考えてみたい。

「電車にひかれる可能性。地下鉄であれば高圧電流が流れてる可能性があります。業務妨害で電車延遅による多額の賠償金の可能性もあるでしょう。世論が注目していますから、全国ニュースで名前を報道されて写真が公開されたら目もあてられません。はやり、逃げることは大きなリスクがつきまといます。」(大類氏)

――冤罪なら駅員室に入るまえに、弁護士と連絡をとらなければいけない。弁護士保険も種類が増えているので一考だろう。法律事務所のサイト情報なども参考にされたい(弁護士法人ベリーベスト法律事務所)。法律事務所が提供している情報は、弁護士により見解がわかれることから、統一見解ではない。その点を踏まえて情報収集をしておきたい。

■情報精査のうえインプットを

――加害者になった場合、社会的制裁が大きい。この点を理解して冤罪に巻き込まれないように注意したい。

「冤罪に巻き込まれないよう注意すべきことがあります。改めて考えてみましょう。『つり革につかまり両手を空けない』『痴漢が多発するドアの出入口は避ける』『女性の後ろにはたたないように気をつける』『満員電車を避ける(リスクが高くなるため)』『手が当たったら“すみません”と即座に手をよける』。すぐにでもはじめてください。」(大類氏)

――いくつか挙げてきたがあくまでも一例である。情報を精査のうえ、できることから心がけてはいかがだろうか。なお、私自身は満員電車には極力乗らないようにしている。

参考書籍(大類氏の近著)
どんなに忙しい人でも21秒で理想の身体を手に入れる新感覚エクササイズ

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からお知らせ>
―2017年5月6日に開講しました―

第2回アゴラ出版道場は、5月6日(土)に開講しました(隔週土曜、全4回講義)。
講義の様子「アゴラ出版道場第2回目のご報告

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