秋田県内は記録的な大雨に見舞われ雄物川などが氾濫した。被害にあわれた方に心からお見舞い申し上げる。
雄物川下流の秋田市でも一部地域に避難勧告が発令された。秋田市サイトはトップページ上部に「防災情報」を臨時に掲載した。非常時に市民への情報周知を徹底しようという秋田市の姿勢は評価できる。
しかし、以前に『朝日新聞が気づかない秋田市防災マップの大問題』で指摘した問題はまだ続いている。秋田市防災マップでは河川の格によって浸水の危険度を示す色が異なるのだ。雄物川と他の河川で管理主体は異なるが氾濫は同時に起こるから、危険度の色が違うのは紛らわしい。秋田市はまだこれを修正していなかった。
防災マップには、視覚によらなければ情報を入手できないという問題も残っている。ページのどこかに「雄物川周辺は氾濫の危険があるため近づかないでください」とでも書かれていればよいのだが、そのような最低限の情報提供も行われていないかった。
秋田市は『地域防災計画』第2章第28節で、障害者や高齢者に代表される災害時要援護者への対応を強化するとうたっている。発災時だけでなく平時から「ユニバーサルデザイン化の促進」を図り、路面の平坦性や有効幅員を確保した避難路の整備、車いすにも支障のない出入口のある避難所の整備、明るく大きめの文字を用いた防災標識の設置等を進めるとしている。しかし、公式サイトでの情報提供にユニバーサルデザインの概念を導入して、ウェブアクセシビリティを確保するまでには至っていない。
秋田市は今年3月末に『秋田市ホームページリニューアル方針』を決裁し公表している。それにはウェブアクセシビリティへの言及があり、今後の改善が期待される。