朝日新聞に「防災マップ間違いだらけ 秋田市、更新怠り平謝り」という記事が出た。エリア内の幼稚園や医療機関などの施設データが更新されておらず、担当課長は「災害から身を守るために作製しているマップに誤記載をすることはあってはならず、深くおわびする。今後は作業工程を見直し、確認を徹底したい」と話したそうだ。
朝日新聞が批判したので、何か褒めるところはないか探したが、確かにひどい。特に、危険度を表示する色の使い方はひどすぎる。
凡例(洪水ハザードマップの見方)を見ると、国管理河川と県管理河川で色使いが違うことがわかる。たとえば、1階と2階の間まで浸水する程度は国管理河川ではピンク、県管理河川では青で表示されている。
今日は国管理河川だけ氾濫し、次は県管理河川だけといった状況は起きないから、これでは読者は迷うばかりだ。
なぜこんな問題が起きたのか。それは国土交通省が色の使用について手引きを2016年に変更したからだ。国管理河川は新しく指定された色を使用し、県管理河川は古い色を使用している。それが混乱の原因である。
以前から火災・家屋倒壊など他のハザードマップは危険をJIS規格に沿って表示していたが、洪水だけは水が深くたまった様子から連想した色を用いていた。しかし、大地震など洪水と火災が同時に発生する状況も想定されるため、洪水もJIS標準を採用することになったのである。
秋田市には、施設名を直すだけでなく、色使いも新手引きに沿うように求めたい。