【更新】蓮舫氏が代表を辞任しても疑惑は残る

2017年07月27日 16:30

追記:蓮舫氏が代表辞任を表明した。理由は「党内の遠心力」という意味不明な話だが、違法状態の追及を逃れることが目的としか考えられない。この記事に書いた「失効した旅券」の疑惑はいまだに説明されておらず、彼女が2016年まで台湾旅券を更新しながら「台湾籍から帰化」と嘘をついていたら、議員資格も失うおそれがある。あらためて説明と証拠の提示が必要だ。


国会の閉会中審査が終わった。加計学園についての集中審議で何か出てくるのかと思ったが、野党は何も出せなかった。そもそも最初から、これは何が違法なのかわからない事件だった。首相の問題だから多少の疑惑が追及されるのはしょうがないが、森友学園の用地買収にからむ不正のような違法性の疑惑さえなかった。

文科省から出てきた怪文書を否定した菅官房長官の初期の対応はまずかったが、その中身は加計学園の獣医学部新設が「総理の意向」だという内閣府の話を文科省の官僚が書いたメモにすぎない。たとえ国家戦略特区で首相の意向が働いたとしても、金銭の授受がない限り違法性はない。

特区は内閣府の所管だから、文科省の縄張りを守りたい前川喜平氏は不愉快かもしれないが、特区とはそういうものだ。「総理は自分の口からは言えないから、私が代わって言う」という和泉補佐官の言葉さえ否定され、前川氏は証拠が出せなかった。それが彼の憶測だといわれてもしょうがない。

しかも安倍首相は、加計学園の件を知ったのは「今年1月20日」だと答弁している。その細部に誤りがあったが、話は一貫している。蓮舫代表がそれを「虚偽答弁だ」というなら、20日ではない証拠を出さないと話にならない。きょうの審議で彼女はこう質問した。

蓮舫氏「私たちは何を信頼すればいいのか。『記録を出してください』と言ったら『破棄された』。『証言してください』と言ったら記憶をなくす。そして『丁寧に説明する』と言った総理が『国会の答弁は正確でなかった』と、聞かれて初めて修正する。国会の審議は何なんでしょうか」

首相「国家戦略特区諮問会議にかかる際に、議長である私にそこで初めて説明があるわけなので、1月20日ということは重ねて申し上げておきたいと思う」

蓮舫氏「もはや全く信頼できない。総理。予定されている国会の日程は、きのうの衆院予算委員会5時間、きょうの参院予算委員会5時間。まさかこれで幕引きと思っていませんよね

同じことを彼女にもいいたい。私たちは何を信頼すればいいのか。「1985年に台湾籍から帰化」したという彼女の選挙公報は虚偽だが、それを指摘されたら最初は逃げ回り、逃げられなくなったら「あの時は正確でなかった」と説明した。おまけに出てきたのは失効した1984年の旅券で、それで台湾国籍が喪失できたとは考えられない。

最大の違いは、安倍首相の行為は違法ではないが蓮舫代表の行為は違法(公選法違反・国籍法違反)だということだ。公選法違反は今でも選管が選挙無効を宣告したら、議員歳費の返還を求めることができる。国籍法違反(1989年から2016年まで27年間)の証拠もそろっている。もはや全く信頼できない。まさか今月18日の記者会見で幕引きとは思っていないだろう。首相に退陣を求めるなら、まず自分が辞任してはどうだろうか。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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