朝日新聞の報道をファクトチェックした

2017年10月10日 06:30

日本記者クラブでの党首討論で、朝日新聞坪井ゆづる論説委員と安倍総理大臣が加計問題の国会審査に関わる報道についてやりあった。安倍総理大臣は八田達夫国家戦略特区諮問会議議員や加戸守行前愛媛県知事の発言が報道されていないと批判し、坪井論説委員は「しています」と反論した。どちらが正しいか、朝日新聞記事データベースを用いてファクトチェックした。

7月10日の閉会中審査の翌日紙面をキーワード「加計学園」で検索すると12件の記事が見つかる。総文字数は16127文字である。「前川喜平」では5件10438文字の、「加戸守行」では2件5889文字の記事が出てくる。

「加戸守行」のうち1件4000文字の記事は『加計学園問題、閉会中審査 やり取り詳報』である。他の1件1889文字の記事は「閉会中審査に参考人として出席した加戸守行・前愛媛県知事が今治市での獣医学部の必要性に触れたことについては、「私たちの思いを代弁してくれた」と述べた。」と菅良二今治市長の発言の中に出てくるだけだ。

7月24日の閉会中審査の翌日についても同様である。「加計学園」は13件18722文字、「前川喜平」は6件16532文字の、「加戸守行」は2件7527文字の記事がある。「八田達夫」は「加戸守行」と同じ2件の記事に出ているだけだ。この2件の記事のタイトルは『(時時刻刻)加計疑惑、証拠亡き否定 政府側「首相指示なし」』と『焦点採録 加計学園問題・閉会中審査 衆院予算委』である。両方とも審査の模様や発言を要約するのが主な内容の記事である。

このように「八田達夫」と「加戸守行」は閉会中審査の模様を伝える記事に出てくるだけである。これに対して「前川喜平」はほかの記事にも登場し、12件あるいは13件の記事全体のトーンは「政府は疑惑に正面から答えていない」である。

7月10日の参議院文教科学委員会・内閣委員会連合審査会の議事録によれば、加戸守行氏は8回答弁に立っている。記事ではそれが1回分にまとめられている。7月25日の記事「時時刻刻」と「焦点採録」は衆議院予算委員会での審査を伝えたものだが、衆議院から議事録がまだ公開されていないので照合できない。加戸守行氏は同日の参議院予算委員会にも出席し4回答弁しているが朝日新聞は報道していない。

選挙区情勢を伝えるテレビニュースでは、主要政党の候補者について映像付きで伝えたのちに、「この選挙区には次の方々も立候補しています」という音声と共に数名のリストが表示される。放送の政治的中立を求める放送法に応えるための放送局の対応だが、その他の候補者にとってはとても公平とは言えない。

閉会中審査の詳録だけに「八田達夫」や「加戸守行」が登場するのは、テレビ局による中立報道のアリバイ作りと似たようなものだ。しかも、議事録と比較すれば少なくとも「加戸守行」については「報道しない自由」が発揮されたのは明らかで、坪井論説委員のように「しています」と反論しても力は弱い。

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