精神科医に聞いた!「テンパる」とミスしやすいの違いは

2017年10月21日 06:00
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写真は講演中の樺沢医師。

アゴラでは、「出版道場」という出版ニーズに応えるための実践講座を年2回開催している。その影響もあり、著者や出版社から献本されることが非常に多い。そのなかで特に良著と思われるものを記事にして紹介している。今回、紹介するのは『絶対にミスをしない人の脳の習慣』。著者は、精神科医、作家の樺沢紫苑(以下、樺沢医師)。

「日本で最もインターネットに詳しい精神科医」として、雑誌、新聞などの取材やメディア出演も多い。最近では、NHK『テストの花道 ニューベンゼミ』にて受験生に効率のよい勉強法を紹介し話題になった。精神科医の見解であることも興味深い。

「テンパる」とミスしやすい理由

――人間の記憶力は、膨大な情報を記憶できるポテンシャルを持っている。しかし、情報入力の入口は非常に狭く、たくさんの情報が一気に流れ込もうとすると、『交通渋滞』を起こしてしまう。脳内には、脳の作業スペース、「ワーキングメモリ」がある。樺沢医師によれば、PCのメモリーと同じようなものらしい。

「脳内に入力判断などの、作業をワーキングメモリでは、数秒から、長くても30秒ほどのごく短い時間だけ情報を保持します。情報処理が終わると、すぐにその情報は消去され、次の情報が新たに書き込まれていきます。PCなら、『長期記憶』がハードディスク(HDD)なら、ワーキングメモリは、メモリ(RAM)に相当します。」(樺沢医師)

「たとえば、友達から携帯電話の番号を教えてもらったとき、スマホにそれを入力するまでの間は、頭の中にそれが記憶されているはずです。しかし、番号の登録が終了した瞬間に、その番号は脳の中から消えてなくなります。そんなときに使われているのがワーキングメモリと考えればわかりやすくはないでしょうか。」(同)

――今月は残り10日だ。しかし、あなたは重要な仕事を5本終わらせなければいけない。しかし進捗率は50%にも満たない。ヤバイ、冷や汗が止まらない。

「あなたは切羽詰まった状況に追い込まれ、焦りも出ています。猛烈なペースで仕事をこなしていかないと、到底終わりません。もしかするとあなたはパニック状態に陥るかもしれませんが、こんな状態を通称『テンパる』と言います。こうしたテンパった状態では往々にして、大きなミスが起こることがあります。」(樺沢医師)

「その仕事が少なければ、テンパることなく余裕でこなせるでしょう。テンパるというのは、ワーキングメモリが不足している状態です。パソコンの、メモリ不足で動作が不安定になってしまった状態、と言うとわかりやすいでしょう。」(同)

――机の上に仕事トレイが置いてある。そのトレイは3あつあり1つの仕事しか置くことができない。3つ以内であれば充分に仕事を進めることが可能である。しかし、いきなり5つの仕事を置かれても処理できない。一般的にはオーバーフローで思考停止に陥る。

「脳がオーバーフローを起こすと、『ど忘れ』『頭が真っ白になる』といったことが起こります。このようなときに、ミスをする最大の原因は、ワーキングメモリの容量不足にあるのです。『ミスが多い人』には、2つのパターンがあります。『最近』ミスや不注意が増えた人と、『昔から』ミスや不注意が多い人です。」(樺沢医師)

「『最近』ミスや不注意が増えた人の原因は、『脳疲労』と考えられます。しかし、『子どもの頃からおっちょこちょいで、ミスが多いんだけど』という人もいます。このような人は、ワーキングメモリーの容量が少ない可能性があります。」(同)

トレイの数を増やすことは可能か

――トレイが少なければ、常に慌しい状態になってしまう。トレイの数が少ない人はどうすればよいのだろうか?改善させる方法はないのだろうか。

「1つの神経細胞は、約2000ものシナプス結合によって、他の神経細胞と結合しています。ものすごく緻密なネットワークです。このシナプス結合の数は、脳を鍛え続けることによって年齢に関係なく増やすことができます。一方で、何もしないと減っていきます。加齢とともに脳細胞は失われ、脳は老化し、記憶力の減退が進みます。」(樺沢医師)

「脳を上手に使うことによって、シナプス結合の数を増やします。いつまでも脳をイキイキとした状態で活動させることができるのです。つまり、誰でも、何歳からでもトレイの数は増やすことができるのです。」(同)

――脳が「健康」で「絶好調」の状態で活動すればミスが無くなる。さらに、心と体に、絶好調のパフォーマンスを実現する。本書は医学的な見地から、「脳」の機能についてわかりやすく解説している。多くのビジネスパーソンに参考になるだろう。

参考書籍
絶対にミスをしない人の脳の習慣』(SBクリエイティブ)

尾藤克之
コラムニスト

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