総務省が電波オークションを拒否

2017年11月22日 18:00

総務省が「第4世代移動通信システムの普及のための周波数の割当て」についての意見募集を行う。これは従来の「比較審査」方式で業者を選定するもので、規制改革推進会議の検討している電波オークションを否定する意思表示である。

このうち公衆無線に適しているのは1.7GHz帯の80MHzで、ここだけでもアメリカと同じ方式でオークションにかけると1兆円近い価格がつく可能性がある。鬼木甫氏は次のようにコメントしている。

電波は、移動通信の普及により急速に価値が増大した国民共有資産です。上記方針は、営利目的(株式会社)の通信事業者に、無料(あるいは極端な低価格)でその利用権を与えるもので、資産価値はプラチナ周波数帯75MHzだけで1兆円程度と推算されます。これだけの政府収入増があれば、全国に保育所を増設し、子育てママを助けて余りが出ます。昨今の森友問題では、億円単位の国有地の安値払い下げが批判されましたが、今回の電波資源の価値はその1万倍で、文字どおり桁違いです。このような「経済的不公正」は看過できないのではないでしょうか。

この時期に首相官邸の方針に反する割り当てを駆け込みで発表した総務省の意図がどこにあるかは不明だが、1.7GHz帯の2枠はNTTドコモとKDDIだと思われるので、彼らがオークションに反対することは合理的である。日本でもっとも収益の高い企業に、このような巨額の「補助金」を支給することが許されるのだろうか。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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