小室さん母のゴシップ報道の是非を巡って論争

2017年12月14日 22:00

「週刊女性」が小室圭さんの母親が、再婚を前提につきあっていたある男性とトラブルを抱えていると報じている。

秋篠宮家はご存知か! 眞子さまの婚約者・小室圭さん母「400万円」借金トラブル

この手の報道をするときは、週刊誌編集部としても慎重だから根も葉もない話ではないのかもしれない。

しかし、この話の真偽などはたいした話ではない。

心配なのは、眞子さまが結婚されたあと、たいへん苦労されることになるのではないかと言うことであり、結婚ののち、皇室との関係で、いろいろな悩みが出てくるのではないかということだ。

それに対して、そんなことは心配しなくて良いという人も多いが、その理由は様々だ。

第一は、婚約をされるに当たって、宮内庁はよく周辺状況を調査していたうえで、大丈夫だと判断しているのだから、心配する必要などないということだ。しかし、これには根拠がない。昔のように興信所や警察を使って徹底的に調べるというようなことは難しい。婚約スクープをものにしたNHKの記者が圭さん本人にあっていろいろ話を聞いたといっているわけで、公的機関が動くことは両親も望まなかっただろうし、余り動いていないはずだ。

第二は、本人同士が愛し合っておれば、本人の経済状況や家族にいろいろ難しい問題があってもいいではないかといういう意見だ。

もちろん、一般論としてだが、本人たちが愛し合いどんな困難があっても結婚したいというのなら、最終的には止められない。しかし、困難をしっかり予測し覚悟して頂くことは必要だ。また、皇室に出入りする場合のルールについて、問題が生じないように互いに話合う必要がある場合もあるが、そういうことができているのかは少し心配だ。

第三に、めでたい結婚の前にお祝い事に水を差すのはいかがなものかという人も多いが、国民上げて祝っておいて、あとで、あれやこれや批判する方が良いはずはない。イギリスなどでも、王族の結婚相手はあれやこれや詮索され、ふさわしいの、ふさわしくないのと国民的議論がなされ、問題点があれば解決できるか模索がされ、そのうえで、王室も最終判断をしているし、それが正しいと思う。

第四に、現行法制では、眞子さまは、結婚とともに皇室を離れられるのだから、皇室に入ってこられる妃殿下選びの時と違って皇室とは関係ない話だから勝手にすれば良いというものだ。
それはたしかに形式上はそうで、だから、皇族男子の結婚と違って、皇室会議の了承もいらないことになっている。

しかし、女性宮家というような可能性も議論される中では、その場合にどうなるかも考えねばなるまい。その場合は、小室圭氏は殿下ということになるのが普通の考え方になる。もちろん、一人息子だから、母親も一緒に御所に同居されることもあり、事実上、皇族に準じるような立場に立たれることもありうるわけだ。

私はすでに書いたように、皇族の結婚は最終的には本人の自由意思で良いと思う。しかし、それは、皇族としての自覚のもとに、熟慮し、場合によっては、条件をきちんと整えたうえであるべきだと思う。

たとえば、オランダの場合は、結婚は認められるが、王位継承権を失ったり、王室を追放されたりもする。あるいは、王妃は父親がアルゼンチンの独裁政権の閣僚だったことから、父親と政治的意見を共有しない宣言をさせられ、結婚式や戴冠式にも出席を認めないことを約束させられたが、こうしたやり方は筋が通っている。

それに比べ、日本の皇室の女性の結婚の場合は、一億円余りの、いわば手切れ金を払って知らぬ顔である。これは、当面、対面を保つためのものであって、資産家に嫁ぐことを前提にしたものである。また、皇室を離れた女性が困窮されても、実家である皇室は経済的に助けることは非常に難しい。

私は、『男系・女系からみた皇位継承秘史』(歴史新書)において、、皇族が結婚相手をみつけ、また、円滑な結婚生活を送れるようにするための環境をしっかりと整備し、また、結婚の前にライフプランについて、きちんとした話し合いをし、互いに納得することをできるように制度として確立すべきだという提案をしている。

こういう具体的な困難な問題をスルーすることが皇室を敬うことであるはずがなかろう。

眞子さまの場合でいえば、小室氏の能力に無理なく応じた仕事を議論し斡旋し、眞子さま自身も引き続き手伝うことである程度の収入が得られるように図り、住宅についてもどうするつもりか心づもりを議論しておくべきだと思う。女性宮家を創設しなくても、将来の天皇のお姉様なのだから、皇室から出た女性として一定水準の対面を保てないと困るのである。

それができていないと、眞子さまも不幸になる可能性が高いし、皇室にも迷惑がかかるいろんな事態も心配だ。しかし、現状ではそのあたりは、いささか心許ない状態であって、両手をあげて良かった良かった、きっと幸福になれるとはやしたてることは親切でも、皇室を敬うことにもならないのではないかと憂慮する。

もし、これが隣家のお嬢さんの縁談であれば、となりのおばさんやおじさんが、「圭さんはとっても感じの良さそうな青年だけど、将来設計は本当に大丈夫なの」とアドバイスしても失礼でもあるまい。

そういう意味で、週刊誌などが、おそらく、眞子さまも宮内庁も把握していないこうした心配のたねがあれば、皇室に対する敬意を保持しつつなら報道しても、それは皇室を大事に思うからこそであって、否定的にみるべき理由はないと思うし、それを踏まえて、眞子さまはじめ当事者が良く話合われたらよいことだと思う。

男系・女系からみた皇位継承秘史 (歴史新書)
八幡 和郎
洋泉社
2017-07-04
アゴラの最新ニュース情報を、いいねしてチェックしよう!
八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

アクセスランキング

  • 24時間
  • 週間
  • 月間

過去の記事

ページの先頭に戻る↑