臨界点に近づく対北軍事行動

2017年12月29日 11:30

朝鮮中央通信より引用:編集部

北朝鮮は12月23日、国連安全保障理事会の追加制裁に賛成した国々、つまり欧米諸国はもとより中国とロシアに対しても恫喝まがいの警告を行った。これは自滅を招きかねない危険過ぎる冒険である。

国際社会全体を敵に回す目的は危機雰囲気を醸成して国内結束を強化することだろう。また、最大の経済制裁と軍事圧力が徐々に北朝鮮の首を絞める中,生活苦による国内の不平不満が爆発する危険性を事前に遮断する狙いだろう。これだけ見ても、北朝鮮が核を手放さない狙いは長期独裁政権の維持である事がわかる。

しかし、体制維持の為、核保有にこだわる北朝鮮は逆に核が体制崩壊を招きかねない危険性も抱えている。
これまで米国は対北軍事行動リハーサル訓練から戦争指揮統制まで最終点検を行った。北爆開始の兆しを示す在韓米軍家族の避難訓練も年2回実施しておりマチス国防長官は”家族を直ちに撤収させる非常対応計画を持っている”と述べた。対北軍事行動の臨界点が近づいている証である事が分かる。

これは米朝戦争ではなく圧倒的な最先端戦力を持つ米国が先頭に立って国際社会の危険人物,金正恩朝鮮労働党委員長の独裁体制と核兵器の脅威を取り除く平和維持作戦である。

米国はなるべく血を流さないソフトランディング決着を目指している。従って、最大の経済制裁と軍事圧力を加えている。しかし、対北制裁による生活苦で不平不満が積み重なると独裁体制崩壊の時限爆弾が働き始める可能性が出て来るだろう。同時に米軍の北爆開始寸前の切りぎり段階まで追い込まれた北朝鮮が頭を下げて譲歩する可能性も出て来るはずだ。

北朝鮮が金正恩体制を維持して生き残る為には懸命な選択肢に舵を切るべき時期が来ている。北朝鮮体制を支えるエリート参謀グループも現状を十分把握しており、どの選択肢を取るべきか分かっているはずだ。双方が血を流さないソフトランディング決着こそ望ましい選択肢である。

(拓殖大学客員研究員、韓国統一振興院専任教授、元国防省分析官・専門委員)
*本稿は筆者が12月28日「世界日報」に掲載したコラムを加筆したものです。

韓国左派の陰謀と北朝鮮の擾乱
高 永喆
ベストセラーズ
2017-03-25
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高 永喆
拓殖大学客員研究員、韓国統一振興院専任教授、元韓国国防省北朝鮮分析官

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