久米宏氏は司会者ではなく「テレビの革命児」だった

2018年03月06日 11:30

「久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった」を読みました。昭和から平成を駆け抜けた、類稀な才能を持つアナウンサー久米宏氏の自伝です。

私の世代では、コント55号と共演したぴったしカン・カン、そして音楽番組として一世を風靡したザ・ベストテンの軽妙でのテンポの良い司会を思い出す人が多いと思います。

そして、久米宏氏を最も有名にしたのは、ニュースステーションです。アナウンサーとしてよりも、報道番組のプロデューサーとして、テレビを知り尽くしたクリエイティブな仕事をし、新しい境地を切り拓いた。帯にも書かれているように、まさに「テレビの革命児」ということができるでしょう。

私が個人的に強烈な印象を持っている番組は、天才漫才師 横山やすし氏と一緒に出演した「久米宏のテレビスクランブル」です。

ユーチューブで検索すると、過去の映像を見ることができますが、泥酔してスタジオ入りして放送禁止用語を連発する横山やすし氏を、久米宏氏が本気で押さえ込んで番組を進行していく。そのやりとりが、なんともスリリングで面白かったです。

久米宏氏の才能は、生放送でこそ生かされます。台本のないアドリブの中から生まれる言葉のやりとりが、リアリティーのあるテレビ映像作っていたのです。

順風満帆なアナウンサー人生を送ったように見えますが、若い頃には結核で2年半療養生活を送り、後輩アナウンサーさんに先を起こされ、精神的に追い込まれた時期もあったようです。また、出演したテレビが次々と終了になってしまい「玉砕の久米」と言われた不遇の時代もありました。

久米宏氏の成功の理由は、その逆境の時期に、自分の価値がどこにあるかを考え抜いたことにあります。

与えられた原稿を間違えなく読むだけのアナウンサーではなく、他の名司会者にもできない自分だけができることを実践したこと。そのために、6割の人に嫌われ、4割の人から好感を持たれる道を敢えて選択したこと。嫌われる勇気と覚悟を持つことで、個性を強く打ち出せ、熱狂的なファンを獲得できたのです。

テレビが家族全員で揃って見るものでなくなった今、久米宏氏を超えるテレビ司会者が登場する事はもうないでしょう。

久米宏氏が活躍した時代こそ、テレビが最も輝いていた時代なのです。

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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年3月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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内藤 忍
資産デザイン研究所社長

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