赤ちゃんはママじゃなきゃダメ?政治家の「失言」にある根深い社会構造

2018年05月30日 11:30

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

子育てに関する国会議員の発言がいわゆる「炎上」をしています。

萩生田氏「赤ちゃんはママがいいに決まっている」:朝日新聞デジタル

自民・萩生田氏:「男が育児、子供に迷惑」 持論を展開 – 毎日新聞

自民党の萩生田光一幹事長代行は27日、宮崎市内で「0~3歳児の赤ちゃんに『パパとママ、どっちが好きか』と聞けば、どう考えたって『ママがいい』に決まっている。お母さんたちに負担がいくことを前提とした社会制度で底上げをしていかないと、『男女平等参画社会だ』『男も育児だ』とか言っても、子どもにとっては迷惑な話かもしれない」
(朝日新聞記事より抜粋、強調筆者)

これに対して、実際に育児に携わっている男性・パパたちが次々に反論の声をあげています。

聞け、父たちの声を。「赤ちゃんはママがいい」と決まってるわけないだろ(バズフィードジャパン) 

まず状況を整理しておきますと。

朝日新聞記事の方でこの発言前後の要旨も読めるのですが、当該議員の方はずっと差別的な内容を話しているわけではありません

こうした指摘のように、「無理に外で働かなくても、育児も『労働』として選択できる環境をつくる」という考え方は、必ずしも否定されるものではないと思います。

行き過ぎると「三歳児神話」の復活になりかねないものの、育児における選択肢が増えるというのは歓迎すべきことですし、そのために政治も動くべきです。

ただ問題はここで、その対象を「ママ(女性)」に限ってしまい、その論拠としてエビデンスもなく「パパよりママが良いに決まっているから」という点をあげたことではないでしょうか(追記:永江一石さんは、これに数値に基づいて反論されています)。

家で育児をする選択肢を増やすのは良いことです。でもそれが、当然のごとく「女性の役割だ」と断定することは、古い家父長制的な考え方にほかなりません。

確かに現実問題として、まだまだ育児の負担が女性に偏っていることは確かです。

その状態をなんとか是正する流れがようやくできてきた中で、再びそれを「育児=女性の役割」として固定化しようとするならば、今回のように世論から大きな反発が起きるのは当然のことだと思います。

そしてこの問題が根深いのは、こうした政治家の「失言」というのは、単に「本音が出た」という以上の問題を孕んでいる点です。

どういうことかといいますと、政治家がこのように公の場で発言するということは、一定数以上がその発言を支持するという確信があるからに他なりません。

つまり、当該議員や所属政党を支持する人たちの多くはいまだに

「育児は母親の仕事」
「父親が育児をするなんておかしな話し」
「男は仕事、女は家庭!」

という価値観を持っている可能性が高いということになります。

政治家一人の認識ではなく、こうした多くの人の考え方を変えていくのは、一朝一夕にできることではありません。

一方で今回、ネットを中心に異を唱える声が多く上がったこともまた、日本社会が前向きな変化の真っ只中にあることを示しています。

単に発言者を批判するだけではなく、その奥に存在する多くの人に納得してもらうためにどうするべきか。

私自身も「子どもはパパも好き!」と自信を持って言えるような模範を示しつつ、粘り強く育児と社会のあり方を訴えていきたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年5月29日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。

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音喜多 駿
東京都議会議員(北区選出)

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