土地放棄制度:いらないなら私が貰います

2018年06月26日 11:30

先月、5月24日の朝日新聞朝刊に『土地を放棄できる制度、政府が検討』という記事が掲載されていました。

昨年末、私は同じく朝日新聞が掲載した記事に基づいて、『日本には土地が『もういらない』『手放したい』『あげたい』という人が多い』ということを言いました。

この件について、政府が実際に検討を始めたという内容です。
不動産は、正に動かないものだから「不動産ですが、今ではそれがさらに「動産」になっている状況です。

とは言っても、いらないから「押しつける」形で、国や地方が引受けるのと、引受けた土地の管理は税金でしなければいけないので困りますよね。

朝日新聞によりますと、「災害で危険になった土地に限定する』といった一定要件を設ける方向だと記載されていました。

昨今、ゴミ処分に関して有料化とする地方自治体もあります。これもまた朝日新聞によると「廃棄物処理のように、土地の所有者が一定額を納めれば放棄できる仕組みなどを検討する」と記載してあります。

しかし、あまり限定的な要件設定をしたり、高い金額設定をしてしまうと、結局は所有したまま税金を払わず、荒れ地になり、最終的に「あげます」「寄付します」と、制度利用が進まない事になりかねません。そうなると、根本的な問題解決にはならなくなってしまいます。

まさに政策議論として上記内容をしっかり議論することが重要です。

今回の場合、土地放棄制度を『整備する』『整備しない』という選択肢の話ではなくて、どういう制度設計にしていくのか。この事が重要です。

ちなみに朝日新聞には関連記事で、『土地を放棄できる国 ドイツ』という内容も掲載されていました。
ドイツでは放棄する意思を、役所に届け出をすれば放棄でき、土地の帰属権はその後、州政府になるそうです。

前回、私は「何らかの制度を作っていく必要がある」と、言いました。というのも、「二束三文でいいから、とにかく誰かが買ってくれれば良い」と土地の売買が行われれば大きな問題になります。

例えば『水源地』『原発の周辺』『自衛隊関連施設周辺』などを、反社会的勢力や外国人が買い、、万が一にもよからぬ使い方をされてしまったら、日本にとって大変な自体に陥ってしまいます。私は、そうならないように『積極的に譲り受けていく仕組み』が必要になると思います。「土地はもういらない」「あげたい」という人の土地は、利用価値がないばかりではないので、仕組みをしっかり考えていく必要があると思います。

たとえば、東京・銀座や、大阪・梅田の一等地に土地を持っているが、「相続をしないで、公の為に使って欲しい」と考える放棄された土地は、公的な土地管理団体を設け賃貸収益を上げながら、他の土地管理を進めていくなどの、仕組みを検討してみたらどうでしょうか。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2018年6月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。

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中田 宏
元衆議院議員、前横浜市長

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