エンタメを通じて社会課題を発信!舞台演劇「HandY」を見てきた

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

先般の定例会一般質問にて、手話を実践した質問を行って以来、当事者団体や関係者・支援者から非常の多くの反響やご連絡をいただいております。

MXの映像ニュースはこちら⇓
東京都議会史上初 手話で議員が質問
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-00010002-tokyomxv-soci

様々なイベントにお声がけをいただく機会も増えてきまして、本日はその中の一つである手話をテーマにした舞台演劇「HandY」を観覧に行って参りました。

東京青年会議所中央区委員会が主催した、様々な障害を学ぶためのイベントのコンテンツの一つです。

主人公は、生まれついての聴覚障害者だけど、

「人に笑われるより、笑わせる人になりたい!」

と一念発起して、漫才師を目指している青年。演者さんが二人のみの「二人舞台」で、一人で何役もこなしながらテンポよく物語は進んでいきます。

障害者が健常者と同じように職を得るのは、まだまだ難しいこと。
日常生活の中にも、見えない偏見や差別があること。
当事者の家族すら、うまく障害に向き合えない場合もあること…

90分弱という短い時間に、深遠なテーマがたくさん盛り込まれています。

とはいえ演劇はコメディータッチで、随所に笑いを交えながら進んでいくため、シリアスになりすぎることもなく、観客席にいた子どもたちも飽きずに最後まで笑い転げ、また感動していた様子でした。

先日観覧しに行った演劇とダンスの団体「舞はんど舞らいふ」さんもそうですが、こうしたエンタメを通じて社会課題を伝えていくというのは、非常に尊い活動だと思います。

終演後、HandYを創った市村さんに、なぜこの演劇を作ろうと思ったのか聞いてみました。

「以前に少し、手話を使う役をやったことがあって。それだけで終わるのは勿体無いから、一本の作品として書きました

やはりきっかけは、実際に少しでも触れてみることなんですね。

しかしそこからこの完成度の作品にまで創り上げることは、並大抵の努力ではなかったと思います。

手話を覚えるのはもちろんのこと、当事者や支援者の方から生活実態やその想いを聞き取り、徹底的に寄り添って学ばなければ、作品にまで仕上げることはできません。

そしてそれをどんな形や台本に作り上げたとしても、

「私たちの想いと違う!」
「こんな表現をしたら、それこそ差別じゃないか」
「聴覚障害や手話を笑いのネタにしないで欲しい」

という批判の声が出たことでしょう。

それでも、エンタメという形で発信することは、これまで障害を知らなかった多くの人たちに「知るきっかけ」を与えることになるはずです。

堅苦しい勉強会や講演会ばかりでは、残念ながら参加者が限定されてしまうのが現実ですから…

そして考えに考えられた演劇内容は、多方面への配慮がなされており、健常者も障害者も一緒になって楽しめる内容になっていたと思います。


(演者の市村さん、運営スタッフの祖父江さんと)

何かと目に見える活動をすれば「ただのパフォーマンスだ!」と叩かれる昨今の風潮がありますが、まさに「パフォーマンス」だからこそ伝わることがある

全国各地で公演されている「HandY」ですが、ぜひ一人でも多くの人にこの舞台を見ていただきたく、都内近郊での公園予定が発表されましたら、私の方でも周知させていただきたいと思います。

手話漫才 笑い届け 聴覚障害者と健聴者のコンビ 全国で公演100回超、掛け合いテンポ良く /岡山
https://mainichi.jp/articles/20180114/ddl/k33/040/304000c

ちなみに気になって調べてみたところ、ろう者と健常者のコンビで「手話漫才」をしている方は、実際にいらっしゃるようですね…!

こちらもいずれ機会があれば、見に行ってみたいところです。

本日の舞台にご招待いただいた市村さま、イベントを運営した東京青年会議所中央区委員会の皆さま、本日はありがとうございました!

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年7月8日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。