外国人労働者は「移民」ではないのか

2018年08月03日 11:30

このごろコンビニで、外国人の店員を見ることが増えた。安倍政権は「移民政策はとらない」という方針なので、日本に移民はほとんどいないはずだ。しかし外国人労働者は128万人と、5年前の2倍に増えた。そのうち「技能実習生」として入国した人や留学生が、約50万人を占める。

政府は7月24日に外国人労働者についての関係閣僚会議の初会合を開き、安倍首相は2019年4月に新しい在留資格を設けて受け入れを増やす方針転換を表明した。これは6月に出た「骨太の方針」の具体化だが、世界各国で移民をめぐる紛争が続発しているとき、中途半端な形で移民を増やすのは危険である。

「移民政策をとらない」安倍政権

政府の新しい方針では、最長5年間の就労の条件つきで単純労働者を受け入れる。これは(永住権をもつ)移民ではなく、一時的な就労だというのが政府の説明だが、国連の定義では、移民とは「1年以上外国で暮らす人」である。

この意味での移民は247万人で、すでに日本の人口の約2%を占めるが、そのうち就労ビザをもつ労働者は2割しかいない。大部分はコンビニや建設業などでビザなしで働く「隠れ移民」である。留学生の就労は違法ではないが、彼らの目的は技能の習得ではない。

骨太の方針では「2025年までに外国人労働者が50万人超」増えることを想定し、留学ビザではなく「特定技能」という資格で単純労働の就労ビザを発行し、滞在中に高い専門性が確認されれば「高度専門職」などの在留資格に移行することも可能とする。

移民に消極的だった安倍首相が外国人労働者の受け入れに踏み切ったのは、地方の中小企業で人手不足が深刻化しているためだ。来年の統一地方選や参院選に向けて、地方の自民党組織から突き上げがあったといわれる。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長 SBI大学院大学客員教授 学術博士(慶應義塾大学)

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