「人間を外見で判断する人はバカ」というバカな人

黒坂 岳央

こんにちは!黒坂岳央(くろさか たけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

「人を見かけで判断する人はバカ」という主張を見ることがあります。半分は正しいかもしれませんが、半分は誤りと感じます。確かに外見が良くても、中身がダメならそれはダメだとは思います。しかし、ビジネスも人も外見が入り口になっていて、外見なくして内面を見てくれる人は誰もいないのです。

漫画家の書いた絵が話題

「人は中身を見る前に外見で判断される」、確かに不条理な側面があると思います。重要なのは最後は内面、これに間違いはありません。理解しておくべきは内面と向き合ってもらえるのは、外見というフィルターを通してからという事実です。そうでなければ、そもそも土俵にすら立つことすらできません。

「人を外見で判断するな」と憤っている人にも心底理解してもらえるる面白い画像があります。漫画家さんがTwitterにアップしたもので、またたく間に拡散されて6万件のリツイートと14万件ものいいねを叩きだしています。

この絵の人物は同じ人、つまり「外見は違えど、中身は同じ」です。どうでしょう?右の格好した人からお薬を受け取りたいと思う人がいるでしょうか?100の言葉を並べるより、1枚の画像から伝わるこの破壊力の凄さです。

「人を見かけで判断してはいけない」と主張していいのは、右側の人からお薬を受け取ることに全く抵抗感がない人に限定されます。

そもそも一流の人ほど外見を整えているという事実

一流の人ほど、「人は見た目で判断する」ということを心底理解しています。そしてそれは彼らの服装や時計にも表れているのです。

先日、お会いしたビジネスマンはパテックフィリップの時計をつけていました。パテックフィリップとは、世界に数多くある高級時計の中でもトップに君臨する高級時計ブランドです。どんなに安いモデルでも300万円はくだらないもので、モデルによっては販売後に大きく価値が上がり、中古市場で販売当初の200万円以上高く流通しているすごい時計です。パティックフィリップの時計は非常に精巧に作られているため、かなり壊れやすいという特徴があります。日常的にそんな高価で繊細な時計をつけていいのは、投資家や資産家などハードに働く必要がない立場の人だけです。

なぜ彼はパテックフィリップをつけているのか?「彼が無類の時計好き」という理由もたしかにあります。しかしその真意は別にあります。彼は「他の人が自分がつけている時計をチェックするから」といいます。立場上、時計をチェックされた時に「なんだこの人はしょぼい時計をつけているな。」お金持ち風を装ってるけど本当は儲かっていないのでは?」と思われてしまいかねません。個人ブランドの毀損の恐れもあるため、彼は自分の立場に見合った時計をつけているわけです。

また、先日高級タワマンに住んでいるお宅へお邪魔した際に、出てきた菓子はロイヤルコペンハーゲンの食器に乗せられてきました。これが100円ショップの食器だった場合は自宅のレベルに釣り合わないので違和感があるわけです。木造アパートに止めてあるベンツオーナーに背伸び感があるのと同じです。

一流の人ほど、「外見で判断するな」と文句を言わずに、良い服装や良いアクセサリーなどで見た目をきちんと整えています。服装だけでなく、みっともなく太らないようにジムに通って体型をシェイプアップして、健康を維持しています。

「人を見た目で判断するな!」という主張は甘えだ

「人見た目で判断するな」という主張は、外見を整える努力を放棄した怠慢です。特にビジネスにおいては、見た目で判断されることを理解し、その前提で動かなければ結果を出すことなど絶対にできません。

店内にブンブンハエが飛んでいるような、不衛生なスーパーでお刺身やお肉を喜んで買う人はいません。せっかくものすごくいいことを書いてある記事でも、改行も句読点もなく、いかにも無料ブログっぽいサイトだと読まれません。太っているスポーツインストラクターから、シェイプアップを教わりたいとは思いません。

もちろん、全てのビジネスマンがパテックフィリップのような高級時計をつけ、高級スーツに身を包む必要はないと思います。しかし、スーツがヨレヨレとか、髪の毛がボサボサで髭の剃り残しがあると言った、最低限見た目を整える努力は必要だと思うわけです。そうしなければ見えない損失を出してしまうことになるでしょう。

今回の漫画家さんがTwitterで書かれた画像は、人は見かけで判断されてしまうということをこれ以上なく、しっかりと伝えてくれる大変有益なものだと感じました。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表