河野外相の質問拒否報道は印象操作

2018年12月14日 11:30

日露交渉に関する記者からの質問に河野外務大臣が4回連続して回答を拒否したと批判されている。外務省は大臣記者会見記録を公開しているので検証しよう。

4回連続拒否は12月11日の記者会見である。河野大臣は「次の質問どうぞ。」と4回連続して回答し、その様子はテレビニュースでも流れた。

外務省YouTubeより:編集部

その前、12月4日には次のような質疑がある

【読売新聞 梁田記者】日露の交渉に関して伺います。今日午前中の,参議院の外交防衛委員会の方で,大臣のご答弁の中で,内外のメディアにコメント等引用されて,コメントの仕合になってしまうというのはよろしくないので,政府の方針を説明するのは差し控えるというのが,政府の方針だということだったのですが,改めて政府全体としても答えは一切差し控えるという方針なのかという確認と,改めてそのような方針を取った理由をご説明いただければと思います。

【河野外務大臣】これから日露で平和条約の交渉を加速化しようという首脳同士の合意がございましたので,これから交渉が始まるわけでございます。政府としては,政府の考え方は交渉の場できちんと相手に伝える,交渉の場以外で様々なことを申し上げれば,当然,相手側からそれに対する反応を引き出すことにもなり,交渉に資することにならないと考えておりますので,交渉の場以外で政府の考え方を申し上げるのは,差し控えるというのが政府の方針でございます。

河野大臣は、交渉の場以外での発言は交渉に資することにはならないと理由も添えて、回答しない旨を説明している。11日の記者会見での応対もこの方針に沿ったものだ。

11日の記者会見で「回答拒否」のきっかけを作ったのは時事通信の越後記者である。越後記者はそれ以前の記者会見でも同様の問答を繰り返している。11月22日には「ラヴロフ氏との会談について伺いますけれども,北方領土問題に関してはどういったやり取りをされますでしょうか」と質問し、20日にも「お答えになれないということなんですけれども,1956年の日ソ共同宣言には,ソ連が歯舞諸島及び色丹島を日本に引き渡すと書いてありますけれども,これ大臣の認識としては,引き渡すというのは日本に主権を委譲するという意味なのか,それとも主権がどちらにあるかということも含めて,交渉対象になるという認識でしょうか。」と聞いている。いずれも回答拒否された。

越後記者は機微な交渉事項に関する質問を何度も繰り返し、河野大臣は交渉の場以外での発言は控えると繰り返している様子が見て取れる。交渉の場以外での発言は控えるという河野大臣の対応を批判するのはむずかしい。そこで「次の質問どうぞ。」を4回繰り返すように仕向け、それをニュースにした印象操作としか思えない。

朝日新聞の社説は大臣の対応を「言語道断」としたうえで、次のように書いている。

外交交渉である以上、公にできないことがあるのは当然だろう。しかし、国境の画定と安全保障がからむ重大な方針転換である。国民の理解を得るため、最大限の説明を尽くす姿勢をとるのは当然のことだ。

交渉が妥結しても説明しなければそのように批判すればよいが、今はその時期ではない。

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