国際秩序の変化で高まる日台関係と自民党青年局の役割

小林 史明

今国会から自民党青年局局長代理を務めています。青年局は45歳以下の国会議員、全国の地方議員、自営業者、会社員、学生などで構成され、党本部青年局だけでなく、47都道府県の自民党各県連に青年局が組織されています。

地方にも組織があることから、現場の課題や情報収集もスムーズにでき、災害対応等にも迅速な対応が可能になっていますし、各地の最先端の取り組みを本部で集約し、全国展開することも可能です。これまでも、「正しい日本地図」普及運動や、若年層交流事業 Real Youth Projectなどを全国で取り組み、具体的な成果をあげてきました。

例年、11月〜12月で全国8箇所でブロック会議を開催しており、今年も各県の課題や来年4月に控える統一地方選挙への対策を話し合いました。今回の会議を踏まえ、今後全国で、青年世代の各種団体との意見交換を積極的に行い、各議会や地域での活動に反映する取り組みをスタートしていくことを決定しました。また、先日の全国11ブロックの代表者会合で初導入した「web会議」など、国会や党の IT 化の事例化も積極的に行なっていきます。

青年局のもう一つの大事な仕事は、中華民国(台湾)との外交窓口機関としての役割です。毎年日本・台湾間の相互訪問を実施しており、1972年の台湾との国交断絶後も続いています。今国会開会後すぐに台湾の青年団体の訪問を受けたのですが、今回は私を含む青年局役員(佐々木紀青年局長、朝日健太郎青年局長代理、武井俊輔青年局国際部長、牧島かれん青年局国際部副部長)で台湾を訪問しました。

台湾は自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する重要なパートナーであり、これまでの30年間で、日台間の人的往来は4倍以上、昨年は約650万人、貿易総額は約2.5倍増えています。特に高校生の海外修学旅行先としては校数262校、4万2,000人と共に1位となっています。日本にとって台湾は中国、米国、韓国に次ぐ第4位の貿易相手、台湾にとって日本は中国、米国に次ぐ第3位の貿易相手。何より日中の安全保障上、大変重要な存在です。そして、災害時には互いに義援金やお見舞いのメッセージを送りあい、大切な友人のような関係です。

今回の訪台のミッションは以下の2点でした。

  1. 自民党青年局新体制としての関係構築
  2. 台湾の日本産農水産物に対する輸入規制解除への取り組み加速

加えて、米中関係の変化に対応した日台の協力関係の確認、台湾国内の選挙に対する外国勢の介入について、現地の議員や与野党幹部と問題意識を共有することの2点を個人のミッションとして訪問。

蔡英文総統

蔡英文総統(大統領)、頼清徳行政委員長(首相)、蘇嘉全立法委員長(議長)はじめ与野党幹部と意見交換しました。

日本産農水産物に対する規制については、政争のテーマになってしまっていることが解決を難しくしているとともに、台湾の人々に対し、正しい情報が伝わっていないことによるものと実感しました。年間400万人を超える訪日客が存在することを考えれば、引き続き、台湾政府へ積極的な対応を求めると同時に、訪日観光客への正しい情報提供も実施してはどうかと考えています。

例えば、台湾からの訪日観光客向けに帰国時にお土産として食品を提供、その際、科学的根拠により日本産食品が安全であるにも関わらず、規制が行われていることを伝えるペーパーを配布するというような取り組みです。すでに台湾政府では、日本産食品への正しい理解を求める動画を製作し公開しており、好評なようです。

頼清徳行政委員長

今回は、政治関係者と並行して、経済界とも交流を深めました。三三会(経団連)青年部との意見交換からは、米中関係の変化による台湾産業の影響を具体的に確認できました。この変化の中、日台が産業分野でも連携し、新しい市場を獲得する機会にできると実感しました。今後、青年局としても定期的に三三会青年部と交流し、日本の青年経済団体との連携強化にも尽力することとし、今後の具体的なアクションにつながる有意義な会議になりました。

今回の訪問全体を通じて感じたのは、中国による台湾各種メディアへの影響力が増大しており、選挙への介入も現実問題になっているということです。

本件については他人事でなく、日本においても海外からの選挙介入に対し危機感を持ち、日台で情報共有する体制をつくり、具体的に両国で対策を進める必要があります。

古くからの友人であるとともに、安全保障上も非常に重要な台湾。長年続いている台湾と自民党青年局の活動を、さらに具体的に発展させる取り組みを行っていきます。


編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(自由民主党、広島7区)のオフィシャルブログ 2018年12月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林ふみあきオフィシャルブログをご覧ください。