辺野古:県民投票の無意味&菅長官の蛮勇を求む

2018年12月28日 11:30

ひさしぶりに沖縄について論じる。辺野古県民投票は無意味なプロパガンダだから与党サイドは無視すればいい。投票に協力する必要もないが、ボイコットを呼びかける必要もない。

なぜなら、設定されている選択肢が不適切なものだからだ。投票は埋め立ての可否を問うものだが、問題は、それが普天間基地問題についての選択肢の県民としての正しい選択肢の提示でないことだ。

普天間問題について現在、県民が持っている選択肢があるとすれば、

①辺野古を受け入れる
②普天間のままでよい
③県外を要求しつつ合意ができるまでは普天間のままで仕方ない

という選択肢から選ぶのなら政府としてもその結果を、どれでも尊重して行動できる。②と③の違いは、恒久的な対策をとるかどうかだ。②の場合には、危険な地域から学校や住宅を移転することも俎上に乗せることになるのだろう。

ところが、埋め立てに反対が多数でも問題は何も解決しないのだ。私がたとえば自民党の沖縄県連の立場なら、「投票は無意味なものだから、行こうが行くまいがご自由に。埋め立てしないにこしたことないのは当たり前だからそれが多数になっても何の意味もない」とでもいうだろう。

イギリスの、イギリスのEU脱退も脱退に伴う財政負担やアイルランド問題などの詳細を議論せずに選択肢を脱退に賛成か反対かの投票をしたことだ。

アイルランド問題についてだけいえば、

①脱退しない
②脱退して南北アイルランドの間に国境をつくる
③イングランドとスコットランドは脱退してアイルランドは南北統一する

という三択から選ぶべきだったのだ。選択肢が間違った住民投票なんか屑である。

官邸サイト

それでは、辺野古はどうすればいいか。私は菅官房長官が、「このまま普天間基地の危険な状態を放置できない。政治家の責任において、移転を断行する」と宣言したらどうかと思う。そして、それだけでは身も蓋もないというなら、現在の予定より、もう少し陸上に移動した計画にしたらどうか。

それは、私の理解では可能だ。埋め立て面積を縮小することは、反対派に仕方ないと妥協する動機を与える。また、沖縄の基地を本土に移転させることの原則を明確にしたらどうか。私はかねてから、運用に支障ないと日本政府と米軍が判断して移転を求めたら、少なくとも知事は反対しないという申し合わせを知事会ですべきだと考えている。

いまの菅長官の態度を見ていると、別に間違ってはいないが、「陰険」な印象がある。あまり真摯な議論をせずに、沖縄県側が自爆することを誘っているように見える。

沖縄県サイト

それより、泣いたり土下座したりするのは、私は好きでないが、「申し訳ないが、沖縄県民のためにも、危険な普天間から辺野古への移転を急ぐことが、政治家の責任だと思うので、全責任は私が背負う」と大見得を切って、玉城知事以下に無理な負担をかけないほうがよいと思う。

もちろん、反発はあろうが、仕方ないということに流れていくと思う。なにしろ、玉城知事らは現実にはありえない選択肢を主張しているだけだからだ。

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八幡 和郎
評論家、歴史作家、徳島文理大学教授

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