岩屋毅防衛大臣に対する記者会見開放に関する公開質問状

清谷 信一

昨年末

防衛記者クラブは我々フリーランスのジャーナリストに対しても防衛省における会見に参加を許可すると決定しました。ところが防衛省は事務手続や会見室のキャパシティを理由に先延ばしにしています。

これらの理由ならばいつまでにという期限も切れると思うですが、いくら問い合わせても期限は言えませんの一点張りです。そこでこの件に対する大臣へのインタビューを申し込みました。日時は2月上旬ですが、未だに何の連絡もありません。

これは官僚お得意の手続きを理由しての遅延行動であると理解し、岩屋大臣の事務所に以下の文書を送りました。これを公開することで公開質問状とします。

防衛相サイトより:編集部

防衛大臣 岩屋毅殿

フリーランス記者の防衛省記者会見参加について

昨年末、防衛省での記者会見を主催する防衛記者クラブはフリーランスの記者に対して、記者会見の参加を認めました。
ところが、防衛省側(窓口は報道室)は、入省の手続きなどの体制が整っていないので受け入れられない、その体制が整う時期もわからないといい続け、既に一ヶ月以上が過ぎております。

私や寺澤有氏らフリーランス数名は報道室に対してこの件で話し合いを申し入れましたが何の返答もありませんでした(別紙参照)。

このこともあり、私はらちがあかないとい思い報道室に対して大臣にこの件についてお話を伺いたいと思い、2月初旬にインタヴューをお願いできないかとお願いしました。ところが2月にはいっても何の連絡もありません。防衛省はフリーランスの会見締め出しを図っているのではないでしょうか。

岩屋大臣はこのことをご存知でしょうか。

本来主催者である防衛記者クラブが認めたフリーランスの記者を広報室が認めればいいだけの話です。私はかつてカナダの専門誌の記者として防衛省記者会見に参加しておりましたが、その際は外務省のパスを取得し、在日外国報道協会(FPIJ)にメンバーになれば、省庁とFPIJとの協定で自動的に参加が可能でした。つまり、これと同じスキームを適用すればすぐにでもフリーランスの参加も可能ははずです。

報道室の言い分は会見室のキャパシティだといいますが、毎回何十人も詰めかけるわけではないでしょう。単なる言い訳にしかすぎまません。PFIJの会員参加ではそのような事態は行っていません。仮に問題があるとしても、その程度の手続きが一ヶ月あっても解決できず、いつになるのか分からないと本気いうのであれば、行政機関として無能である、あるいは意図的に作業を停滞させていると告白しているのに等しいのではないでしょうか。

そもそも会見の主催者は防衛記者クラブであり、過去防衛省は記者クラブが許可すれば防衛省はフリーランスが参加しても宜しいと主張してきました。ですが現状は手続きを理由にフリーランス記者の参加を妨害しているようにしか見えません。

近年防衛省では陸自の日報隠しや、海自の補給艦のいじめによる自殺の組織的な隠蔽などの不祥事の隠蔽が続いております。フリーランス記者の記者会見を期間も区切らず、いたずらに先延ばしをするのは隠蔽体質の温存を図っていると取られても仕方ないではないでしょうか。

このような事態が続くのであれば法的な解決手段も検討しております。
また私個人に関してはいずれにしろドイツの専門誌の特派員の資格で再度外務省のプレスパスを申請するので、必然的に会見には復帰します。

岩屋大臣におかれましては、一日もはやくこの問題を解決され、開かれた記者会見を実現して欲しいと心から願うものであります。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2019年2月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。