子連れ出勤という難題をクリアするためには --- 岡 みちる

寄稿

※編集部より:自民党渋谷総支部の若手5名が自身の子育ての経験なども踏まえて、より現実的、理想的な子育て支援策について論じた投稿をいただきました。5人の方の寄稿を順次掲載してきました。

(過去記事一覧)
第1回「妊婦さんへの支援の拡充を — 長島 洋平

第2回「第一子を育てるママへのサポートと情報提供の重要性 — 松本 翔
第3回「渋谷から変革を!子ども目線からよい社会をめざす政策 — 中村 豪志
第4回「次世代型保育の検討を — 青木 勲

なお、アゴラでは現在、統一地方選立候補予定者向けのブログ講座(2月20日)の受付中ですが、編集部では、党派を問わず、統一地方選に向けて立候補予定者の皆さまのご投稿を歓迎します。

私は「子連れ出勤」の展開は現状では難しいと思っています。通勤ラッシュに子供を乗せるのは無理ですし、子供の世話をしながら仕事に集中するのは困難でしょう。職場の同僚の目も気になります。

実現のためには、まず働き方改革を進める必要があります。時差出勤や勤務時間をずらせるウルトラワークやスーパーフレックスタイムの導入、在宅勤務やテレワークなど多様な働き方を普及させ、選べるようにすることが第一歩です。

また「子連れ出勤」のあり方としては、子供の世話をしながら仕事をするのではなく、企業内保育所を普及させる方が現実的です。そもそも「子連れ出勤」が後押しされることになった背景としては、本格的な少子高齢・人口減少社会がまもなく到来することが確実で、労働力人口の減少と国内需要の縮小が懸念される中、貴重な女性の労働力を確保する必要に迫られているという現状があります。

働きたくても子どもがいて働けない女性や働き方が制限される女性が多い一方、幼稚園や保育園の新設は制度面で様々な要件があって困難であり、受入児童数を増やすには職員が不足しているのが問題です。その点、企業内保育所や企業主導型保育所であれば設置のハードルは一気に下がります。保育士不足や質の低下の原因は保育士の待遇が改善されないことが大きいわけですが、保育士が企業に雇用されることで福利厚生や給与面で質の改善が期待されるでしょう。

また、私は専業主婦となり子供の成長を見守りたいという考え方も尊重されるべきだと考えます。そのため一時保育や小児科併設の病児保育所の拡大も進めていきたいと考えます。多くの幼稚園や保育園での一時保育は園に所属している子どもしか受け入れていません。幼稚園の園長さんにお話を伺うと、知らないお子さんを預かって、万が一何かあったら困るためとのことでした。

そこで、一時保育を希望するお子さんの情報をどの園でも共有でき、気づいたことを共有できるような情報の共有化を図りたいと考えます。公開する情報や園が求める情報は各自が設定し、限定公開もできるようにします。そして一時保育が広まったら、期限付きの一時保育券を配布します。補助金のような形で配布すると、家計の足しにしてしまう御家庭が多いと聞くためです。一時保育でしか使用できず換金できない券ですので、専業主婦の方も気軽に一時保育を利用し、自分の時間を持っていただけたらと思います。

このような取り組みにより、すべての人が自分らしくライフワークバランスを実現し、多様な働き方、生き方を選べる社会を実現したいと考えます。

岡 みちる 自民党渋谷総支部 サポーター
1978年生まれ。千葉県出身。東京都渋谷区在住。東京大学大学院学際情報学府修了。
10年間の行政経験から、地域社会の活性化を志し、TOKYO自民党政経塾(11期、13期)へ入塾。学生時代からバックパッカー等で43ヶ国を旅してきた経験を生かし、諸外国の先行事例を区政に活かしたいと活動中。

※ この寄稿はあくまで執筆者の個人的見解・提言であり、自民党もしくは渋谷総支部の見解・政策ではありません。

(連載おわり)