当方の「『文在寅政権』と韓国は別だ!」というコラムに対して、アゴラでご活躍の八幡和郎先生が「『文在寅政権』は『韓国』そのものだ!」というコラムを配信され、そこで当方のコラムの不十分な点を指摘して下さったと知りました。そこでお礼と当方の考えを少し説明させて頂きます。
40年間余り欧州に住み、「現代の浦島太郎」のような存在の当方のコラムに時間をとって真剣にご教示下さった八幡先生に先ず感謝します。
コラムのタイトルは多分、読み手に誤解を与えるだろう、と考えていました。コラムでは「反日政権イコール韓国」という点では揺れがありません。だから、「どの政権が発足してもここ当分は韓国では反日政権となるだろう」と書きました。ただし、「親北派政権イコール韓国」とはちょっと違うのではないかと考えます。
韓国国民は北の独裁政治に対して惹かれたり、劣等感を感じているという指摘を読んだことがありますが、事実とは違うのではないかと思います。確かに、北朝鮮の経済統計は一時期、韓国の国民経済を上回った時代もありましたが、それは金日成政権がソ連・中国から支援を受けていたためであり、主体思想を国是とする北の国民経済が韓国より発展していたからとは言えないのではないでしょうか。
忘れてならない点は、韓国国民は「韓国動乱」(1950-53年)を経験していますから、北がどれほど非情で独裁的であり、民主政権とは全く違う国体かを体験を通じて学んだと思います。韓国はこの戦争で100万人以上の国民を失っています。
日本の朝日新聞を筆頭とする左派メディアは当時、北を「地上天国」のように報じ、その影響を受けた多くの在日朝鮮人が北に渡りましたが、彼らのその後の人生はどうなったでしょうか。
韓国の歴代政権の中には北朝鮮に接近した政権もありましたが、韓国主導の南北統一、独裁国家北朝鮮の解放への思いがあったからです。残念ながら、文在寅政権の親北路線は既にその一線を越え、危険水域に突入しています。南北再統一、融和政策という美しい言葉に韓国国民は心を動かすかもしれませんが、北を認知した結果ではないと思います。
ほんの一握りの指導者、国民は「確信犯」です。また、韓国内には多数の北から派遣された工作員が暗躍しています。彼らは北主導の南北統一を模索するだけでなく既に長きにわたって構築しています。その線上から「『文在寅政権』と『韓国』は別だ」という考が出てくるのです。
韓国政権の反日は日本の植民統治時代を経験した国として、ここ暫くは続くでしょう。朴槿恵前政権は反日政策を推進した政権であり、韓国そのものです。しかし、文在寅政権は韓国そのものではなく、北が主導した傀儡政権と考える方が現実に当たっていると考えます。その意味でも「『文在寅政権』と『韓国』は別だ」という考えが出てくるわけです。ここで登場する「韓国」は反日国家を意味しますが、親北に傾斜しずぎた文在寅政権とは違うのです。
以上、当方が考えている点を書きました。八幡先生のご指摘には再度、感謝します。今後も宜しくご指導をお願いします。