願う!地上波の猛省 No1薬物報道は「とくダネ」

2019年03月15日 16:00

電気グルーヴ公式サイトより

きのう(3月14日)、荻上チキさんのラジオ番組でお話しさせて頂きましたが、

【音声配信】特集「薬物報道ガイドラインから見る今回の一連の報道。そして、依存症からの回復への道筋とは?」松本俊彦×田中紀子×荻上チキ 2019年3月14日(木)放送分

今回のピエール瀧さんのコカイン使用問題に関して、時代の流れを捉え、世界の潮流を知り、かつ我々依存症者と家族のためになる報道をしてくださったのは、断然ネット上の記事であり、ラジオ番組でありました。

そして最低最悪であったのは、地上波のテレビでした。

例えば、アゴラさんでもおなじみの常見陽平先生は、速攻でこのような記事をあげて下さっていますし、

ピエール瀧にだったら、何をやってもいいのか

TBSラジオでピエール瀧さんの親友伊集院光さんは、薬物からの回復者に配慮した発言をなさった上で、相談先についても触れて下さっています。

伊集院光、30年親交のピエール瀧容疑者に「なんでそんな物が必要なんだ」

それに対し地上波のテレビは相変わらず、薬物使用者を血祭りにあげるあの姿勢を「正義」だと思いこみ、視聴者におもねっているつもりなのかわかりませんが、社会の進化を阻害していることに一向に気がついていません。

しかも今では、スポーツ新聞の記事がネタ元ですからね。
サンスポが3月12日の早朝に、ピエール瀧さんがヨーロッパでコカインをやっていたらしい…
と勝手な推測記事を出すと、驚いたことに地上波各社がそれをあたかも真実のように報道しました。
今や独自取材、真実に対する執念といった誇りはかけらも感じられません。

また、自分たちが大騒ぎをして、騒ぎを拡大しているにもかかわらず、まるでピエール瀧さんが騒ぎを大きくしているかのような報道ぶり。挙げ句の果てには、51歳の息子がしでかしたことなのに、80過ぎの父親のもとにインタビューにいき謝罪させ
「お父さんにあんなことまで言わせるなんて!」とのたまう、これなどまさに謝罪ショーの自作自演としかいいようがありません。

ここまで思考停止に陥ったかと、昨今のテレビ離れの理由がはっきりとわかった気がしました。

そんな中、唯一これは!と思ったのは、フジテレビの「とくダネ!」でした。
この「とくダネ」では、MCの小倉智昭さんは、昨今行われている、芸能人が問題を起こした際に、作品の公開のお蔵入り、過去の作品の撤収に対し問題視し、そこまでやる必要はないと思う!という姿勢を貫いて下さいました。

この件に関しては、私もアゴラさんに書かせて頂きましたが、
ピエール瀧さん逮捕!被害なき犯罪で作品の懲罰的お蔵入りはやめて

こんなのただの吊るしあげ、見せしめに過ぎません。
是非とも止めて頂きたいと思います。

第一、今の流れは矛盾だらけです。
今日本で起きている問題だけ、ヒステリックに取り上げ、過去の問題はスル―、そして海外の問題もスル―、ただ単に制作者側も、公開となった時の話題づくりじゃないの?と勘繰りたくなります。

だったらエリッククラプトンも、エアロスミスもエミネムももっとさかのぼればビートルズだって撤収しなきゃならないし、70年代のジャニスジョップリンあたりの音楽なんて壊滅状態ですよね。

さらに映画だって、ジョニー・デップの「パイレーツ・オブ・カリビアン」も見れないし、ロバート・ダウニーJr.の「アイアンマン」も「アベンジャーズ」も上映しちゃダメ、コリン・ファレルの「S.W.A.T」「トータルリコール」や、私の大好きなドリュー・バリモアの「チャーリーズエンジェル」だって回収して下さいよ!

薬物問題を犯した人間は絶対許さない!社会から抹殺するべき!って、日本の芸能界もテレビ局もそしてそう叫ぶ人々も、どうぞハリウッドにそう言いに行って下さいよってことですよね。

さらに、太宰治だって、折口信夫も坂口安吾もバロウズも、トルーマンカポーティもスティーブンキングも読んじゃダメ!
と出版業界にも働きかけないとね!ってことになります。

だから、そもそも今の流れが矛盾だらけなんですよね。
唯一「麻雀放浪記2020」は公開に踏み切る模様で、是非そうして欲しいと願っています。
頑張れ「麻雀放浪記2020」!って、ギャンブル依存症かつ麻雀大好きな私も応援しちゃいます!

そして、さらにこの「とくダネ」では、コメンテーターの深澤真紀先生のコメントが、常にきらりと光っています。

「とくダネ!」より:編集部

今回も

「こういう(人気のある)方が、治療して清原さんなんかと復帰のモデルになるべき」

「今、薬物問題は非犯罪化の流れにある」「薬物というのは自分が被害者という特殊な犯罪」

と、まだ我々依存症問題に関わるものと、先進的ことに理解力のあるネットメディアとその文化人くらいしか理解できていない事柄を、勇気をもって地上波で発信して下さっています。

深澤真紀先生、こういった先進的な発言をなさることで、批判もされているようですが、おもねらずブレない発言本当に心強い!そしてこういった発言も取り入れている「とくダネ」という番組はとてもありがたいです。

という訳で、今回のピエール瀧さんを取り扱った地上波の放送で、もっとも優秀かつ、薬物問題の対策推進に貢献したのは、全番組を検証した結果フジテレビの「とくダネ」であったことをご報告いたします。


田中 紀子 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表
競艇・カジノにはまったギャンブル依存症当事者であり、祖父、父、夫がギャンブル依存症という三代目ギャン妻(ギャンブラーの妻)です。 著書:「三代目ギャン妻の物語」(高文研)「ギャンブル依存症」(角川新書)「ギャンブル依存症問題を考える会」公式サイト

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田中 紀子
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表

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