年金:中チャン。参議院議員選挙スペシャル

中チャン、参議院議員選挙スペシャル。
5日目は年金です。

誰にとっても迎える老後。
その老後の年金について、数年ごとに政治の争点になっています

現行の年金制度を創設したのは昭和34年。
当時の平均寿命は男性が65.3歳、女性が70.19歳でした。
退職をしてから年金の受給期間が5年ほどで平均寿命を迎えることになります。

最新のデータである平成29年は男性の平均寿命が81.09歳、女性は87.26歳です。
創設当時と今では随分と社会環境が大きく変化していることは誰の目にも明らかです。
ですから、近年は年金受給額の見直しや年金受給年齢の引き上げなどの見直しが行われてきました。

平成28年10月より短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大。そして翌年、平成29年4月からは500人以下の事業所も対象になりました。それまでは週30時間以上の労働が加入対象でしたけれども、適用拡大後は「1週間あたり20時間以上」「賃金が88,000円以上」「雇用期間が1年以上」「学生でない事」の条件を満たしていると加入対象になりました。

しかし、適用拡大のやりすぎは、働くこと自体を控えることに繋がってしまいます。ただでさえ人手不足の業界は、より一層、短時間労働者の働く意思を削ぐことに繋がりかねません。

一連の見直しは必要だったと思いますが、あくまでも手直しであって根本的な改革ではありません。社会環境が大きく変化をしたわけですから、年金制度の抜本的な見直しも必要だと思います。

現行の年金制度は、現役世代が納付した保険料を、現在の受給者に支払われてる賦課方式です。このままでは納付する生産年齢人口、すなわち働き手が少なくなっていく時代では、この制度を存続していくのがますます難しくなってしまいます。私は積立方式の検討もするべきではないかと考えます。積立方式とは、自らが納めた保険料を国が運用し、納めた人が受給時に受け取る仕組みです。

現行の仕組みで保険料を納めてきた人は、老後に現行の仕組みで支給し、新たに社会人になる人は年金を積み立てていく方式に改める検討です。受給者が多い現行の年金制度の赤字分は国税でまかないます。このやり方はかつての日本国有鉄道清算事業団で国鉄民営化の時に債権整理したような方法です。

こうした議論もやっていく価値があるのではないかと私は考えています。将来に不安があると国民はお金を貯め込むばかりで消費しません。将来不安を取り除き、お金を回すことで、経済にもプラスになると思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年7月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。