市民を「お客様」にする自治体は崩壊する

2019年07月18日 16:00

第83回地域力おっはークラブは、奈良県生駒市長の小紫雅史さんにお話を伺いました。

タイトルは「市民を「お客様」にする自治体は崩壊する  ~市民と行政がともに汗をかく自治体3.0のまちづくり」。

奈良県生駒市は、人口約12万人。大阪市内まで約20分というアクセスの良さもあり、伝統的に大阪に通勤する住民が多い地域です。

図1

(写真提供:生駒市役所。)

そうしたなかで、

定年退職した人々に、どのように地域と関わってもらうか
生駒で働く人をどう増やしていくか、新しい産業を起こしていくか
ダイバーシティ(多様性)をどのように高めていくか、

というのが、今の生駒市の大きな問題意識です。

だからこそ、プロモーションの対象は、市外ではなく、市民

例えば、駅前広場を開放して、押し入れに眠ってあった子供用のプラレールを持ってきてもらい、みんなで組み立てる。予算ゼロ円のイベント。実は、電車大好きなお父さんがたくさん来てくれました。お父さんたちも、地域との関わりが増えてきます。
図3

ファミリーコンサートや、お母さんたちのブラスバンドも徹底して参加しやすい雰囲気をつくります。合言葉は「下手でもいいんだよ。」。これらも、基本的にはゼロ予算事業。
図2

高齢者向けには、本気で健康に戻す筋トレ。元気になった高齢者は、ボランティアとして、次の体操教室に参加してもらいます。

「この歳になって、筋トレはやりたくないよ。」という新しく来た70代のおじいちゃんに対し、ボランティアの80代のおじいちゃんが「俺もこの間までそう思ってたけど、今は筋トレで元気になったよ。」と声をかけると、みんな真剣になります。

今では、ボランティアの方が参加者よりも多いとのこと。ボランティアが増えて、保健師だけでは開催できなかったエリアでも順次、開催できるようになりました。
図4

これらの結果、2014年から2018年まで、後期高齢者の伸び率は全国トップクラスの5%ながら、介護予防、生活支援事業コストの費用は約4.2億円から約3.4億円まで削減されました。

今後は、市民だけでなく、業者・専門家(AI・ICT・観光など)もまちづくりへ参加することを目指しているとのこと。給食のオープンデータや食育アプリなども開発しています。

高齢社会が進む日本の一つのモデル、これからも注目していきたいです。

次回第84回は、7月22日(月)中屋祐輔さんにお話しいただきます。
【告知】第84回地域力おっはークラブ dot button company代表取締役の中屋祐輔さんが話す「ドットのつなぎ方」

<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年7月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。

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井上 貴至
前鹿児島県長島町副町長

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