地方:中チャン。参議院議員選挙スペシャル

中チャン。
参議院選挙スペシャル。
14日目は地方です。

今、日本の地方は、人口急減・超高齢化という日本が直面する大きな課題に対し、政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生することを目指す地方創生どころか、地方はどんどん疲弊していると言えるのが現状なのです。
まずは疲弊を食い止め、そして活力を少しずつ高めていくことを目指していく必要があります。

私は今から17年前に横浜市長に就任しました。
市長就任前から、横浜市に莫大な借金があることはわかっていました。当時公表された数字は2兆3571億円という累積債務でした。ところが、この債務には特別会計などが含まれておらず、市長になってあらいざらい調べてみたところ、6兆2213億円の借金であることが判明しました。だから私は、財政の健全化に邁進しました。

まずは市役所本体を黒字にし、市営バスの22年ぶりの黒字、市営地下鉄の25年ぶりの黒字、水道の10年ぶりの黒字と各事業を黒字化することによって、私が退くときには、借金総額は5兆2000億円となり約1兆円の累積債務を減らしました。これは政治史上最大の純減額です。

※詳しくは公式HP(nakada.net)の政策をご覧ください

ところが、どんなに財政を健全化しても、横浜市債を発行するときの金利は他の自治体と横並びでした。企業が借りる金利だってそうですが、財務内容が悪い会社には金利は高くなりますし、財務内容が良い会社には金利は安くなります。それを行政で実現するために、その後横浜市は単独で市債を発行して日本一金利の安い自治体になりました。

私が主催する日本の構造研究所が2年前に財政健全化を悪化させている知事を調査しました。結果は下記の通りです。

全国知事 財政再建ランキング
1位 島根県 溝口善兵衛知事
2位 宮崎県 河野俊嗣知事
3位 愛媛県 中村時広知事
4位 岡山県 伊原木隆太知事
5位 青森県 三村申吾知事
6位 栃木県 福田富一知事
7位 高知県 尾崎正直知事
8位 長野県 阿部守一知事
9位 徳島県 飯泉嘉門知事
10位 宮城県 村井嘉浩知事

いずれも企業がたくさんあって恵まれた県とは言えません。
企業が沢山あり税収が潤沢とは言えません

すなわち税収が豊かかどうかなのではなくて、財政健全化というのは、その知事に意思があり、工夫をしているかどうかということです。地方自治の本質は、地方自治の本質は地域によって違い、課題も違う。だから解決方法も違うということです。だから、我が国の全国一律という仕組みを改めなければ、地方の課題は解決しませんし、活性化もありません。

全国一律は平等ではなく、悪平等です。

私は今、少子化で課題になっている保育園をよく例に出して説明します。
保育所設置の基準は全国一律です。

乳児又は満2歳未満の幼児  乳児室   1.65㎡/人
ほふく室  3.3㎡/人
満2歳以上の幼児      保育室   1.98㎡/人
遊戯場   1.98㎡/人
屋外遊戯場 3.3㎡/人

職員の配置基準も全国一律です。

乳児 概ね3人:1人以上
満1歳以上満3歳未満の幼児 概ね6人:1人以上
満3歳以上満4歳未満の幼児 概ね20人:1人以上
満4歳以上の幼児 概ね30人:1人以上

例えば東京のど真ん中の港区や横浜市では、そんな保育園の設置は厳しいです。一方で、地方では保育士がやるだけが保育ではないはずです。空き家を利用して、子育ての大ベテランと言える町のおばあさんやおじいさんが、子供たちの面倒を見る、そうした保育もあっていいはずです。

今から2年前、議会廃止で大きなニュースになった高知県大川村を私は尋ねました。村長議員を初めとして、村民の皆さんと話し、実態を知りました。現在の人口は470マスコミは過疎村で議員のなり手がいないと書きましたら、現実はそれだけではありませんでした。
【現地レポート】「議会廃止」で揺れる高知県・大川村の真実! 2017.08.21
議会を廃止?直接、政治ができる?これ、大チャンスじゃん! 2017.6.15

どこの誰なのか、ほぼ全員の顔が互いにわかる。そうしたコミュニティで議員選挙に出たい人はほとんどいないわけです。落選もしたくないわけです。「小さい村だけに誰が誰に投票したか推測できてしまう」中で議員を選ぶことの難しさですね。

本当に全ての市町村に議会が必要なのか、また議員と首長別々に選ぶ必要があるのか、考えなければいけないと思います。

議員の中から首長を選ぶ議院内閣型というのがあってもいいと思いますし、議会が行政や都市経営の専門家を任命し、議会が決定した政策の実行に対して全ての責任を与えるシティ・マネージャー制度のような仕組みがあってもいいと思います。

しかし、それぞれの取り組みに、財政が豊かな自治体とそうでない自治体との格差が出ないような財政調整をこれからしなければなりません。しかし、自治体の取り組みに弾力性を認め、やらない行政事務を認め、自治体毎に持続可能な行政を作ることが大事です。

そうしてそれぞれの強みが発揮され、活力を得ていく好循環を作りたい


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年7月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。