「芸術に名を借りた反日活動」の声も…あいちトリエンナーレ大炎上(訂正あり)

アゴラ編集部

愛知県内で1日に開幕した芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(10月14日まで)の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容に、韓国の造形家が手がけた少女像や、昭和天皇の肖像を燃やす映像などがあったことが大炎上している。

実行委員会の会長は、大村秀章愛知県知事がつとめ、事務局は愛知県県民文化局に置かれるなど、芸術祭は、公共性が強い。さらに芸術監督を左派論客の津田大介氏が務めていることから、右派を中心にネット上の非難は収まりそうにない。政府も、菅官房長官が2日午前の記者会見で「事実関係を精査」する意向を示しており、今後、県議会などの追及が起きて、大村知事の政治責任問題に発展する可能性もある。

公式サイトによると、問題の企画展は2015年の開催回から継続している。その狙いや経緯について

「慰安婦」問題、天皇と戦争、植民地支配、憲法9条、政権批判など、近年公共の文化施設で「タブー」とされがちなテーマの作品が、当時いかにして「排除」されたのか、実際に展示不許可になった理由とともに展示した。2015年以降、新たに公立美術館などで展示不許可になった作品を、同様に不許可になった理由とともに展示する。

などと説明している。ただ、今年の展示内容は、かなり過激とも言え、物議を醸している。報道ベースだけでも、平和の少女像が紹介されており、時事通信などの取材に対して、制作した彫刻家は「像は反日の象徴ではない。少女の握り締めた手は平和な社会を共につくろうという決心を表している」と強調したという。

さらにネット上には、少女像のほか、昭和天皇の肖像を燃やす映像が展示されているのが出回っている。韓国KBSニュースの動画を見つけたネット民が拡散させるなどして中身が明らかになりつつある。

昭和天皇の肖像を燃やす映像(KBSニュースより)

津田氏はツイッターで、

あいちトリエンナーレ実行委員会も、表現の不自由展実行委員会も、僕も「表現の不自由展・その後」に展示されている作品に対して何らかの賛否を述べるものではありません。議論のきっかけにしたいということが展覧会の趣旨

などと説明しているが、この態度もさらに問題化させている。

津田氏ツイッターより

このツイートに対し、左派系のフォロワーから

「議論のきっかけになる」ということが、アートの最大の魅力ですね。 単に善悪を決めるのではなく、「私はこう思った」とか感想を言いあえたり、そこから芽生えた興味や関心事を調べたり、作品を通じてオーディエンスも社会に関わることができるのがアートの役目。ますますあいちが楽しみ。

などと同調する意見があるが、少数派だ。やはり非難の声の方が大きく、

聖書やコーランを燃やす作品でも無差別殺人犯を礼賛する作品でも『議論のきっかけ』になればよかったという趣旨でしょうか

火つけといて、知りませんはないやろ

ただの炎上商法じゃん

などといったコメントが殺到している。

また、津田氏が開幕前日に記者会見した際、「表現の不自由展」の来場者に対し、写真と動画のSNS投稿を禁止する措置を発表したことも物議を醸している。これには朝日新聞ですら、「作品を多くの人に知ってもらえなくなる。作家にも不利益だ」と話す関係者の意見を紹介している。

日本のマスコミは「自主規制」したのか、少女像くらいしか報道していないが、KBSでは大々的に報道されていることからしても、国内向けに「情報統制」しているとしか思われず、この対応もツイッターでは

散々ネットランナーとか推奨してた立場だったのに、いざ自分がやられると今度はアップ禁止とは恐れ入ったな(笑)

といった呆れ気味の声が相次いでいた。

ネット上の著名人では、脳科学者の茂木健一郎氏が擁護的に発信しているが、


フィフィさんや高須院長らは早速問題視。反響を呼んでいた。特に加藤清隆氏の「芸術に名を借りた反日活動」という批判は痛烈だ。


この問題を巡っては、名古屋市の河村たかし市長が少女像が展示されたことを受け、「行政がお金を出したイベントに展示するのは、おかしい」などと問題視し、今後対応する意向を週刊金曜日の取材に対して示している。左派の週刊金曜日はそれを逆に問題視する解説を載せているが、政府も深刻に受け止めており、どちらかと言えば、企画展の開催や愛知県の公費支出の経緯、大村知事らの責任がクローズアップされる可能性が強まりそうだ。

【訂正 21:45】津田氏のツイッターによると、初報で掲載した展示物の中に安倍首相を模したとみられる人形の口にハイヒールを押し込んだ像は含まれていないとのことで、削除します。