朝日が報じた文在寅発言「盗っ人猛々しい」は本当?原語の「賊反荷杖」とは

2019年08月03日 06:01

日本政府が2日、輸出管理の優遇対象国(ホワイト国)から韓国を除外したことを受け、文在寅大統領が日本に対して「盗っ人猛々しい」と発言したという日本メディアの翻訳が、ネット上で議論を呼んでいる。

緊急閣議に臨む文大統領(韓国大統領府Facebookより)

朝日新聞はこの日、韓国大統領府の緊急閣議が開かれた直後の14時台に、「文大統領「日本、盗っ人猛々しい」ホワイト国除外で」と題した記事を速報で伝えた。ほかにもフジテレビ系列のFNNニュースも夕方のニュースで「韓国政府が反論 文大統領「盗っ人たけだけしい」と報じた。

当初、アゴラ編集長の新田哲史もツイッターで反応したように、ネット上では、日韓合意で日本が10億円を拠出した慰安婦基金の解散を文政権が一方的に決めたことを指摘する意見や反発も多かった。中には、日本国内の仏像が韓国人に盗まれた事件などをあげて「仏像返せ」と叫ぶ人もいた。

さらには、「ヒゲの隊長」こと佐藤正久外務副大臣もその日夜に出演したBSフジの報道番組で、「『盗っ人たけだけしい』と品のない言葉まで使っているのは異常だ。日本に対して無礼だ」と非難する展開に及び(出典:産経新聞)、「盗っ人猛々しい」発言が日韓関係の悪化に拍車をかけないムードになりかけた。

しかし、韓国のメディアの報道を見ると、聯合ニュースの日本語記事などでは問題の発言が“見当たらず”。やがて報道から数時間経つうちに、韓国語を解する人たちがツイッターで報道内容に疑問を挟むようになった。

彼らが指摘している「盗っ人猛々しい」に当たる韓国語は「」。この言葉を以前取り上げた産経新聞のコラム「産経抄」(1月12日)によると、文大統領は1月10日の記者会見の時にも使っていたようで、元の意味は

泥棒が逆ギレし、あべこべに鞭(むち)を振り上げる様子を表す。

だという。産経妙は、「盗っ人猛々しい」という言葉が、韓国にもあるのか調べてみたという切り口で「賊反荷杖」を紹介しているが、韓流雑誌のツイッターアカウントは違和感を表明し、「「逆ギレ」「居直り」くらいで良かったのでは?」と指摘する。

また、毎日新聞の現職記者とみられるツイッターアカウントは、同紙の堀山明子ソウル支局長の文発言の翻訳が「開き直って大口をたたく」だったことを紹介。

「The Korean Politics」 編集長の徐台教氏もツイッターで、「必ずしも「盗人猛々しい」と訳す言葉ではないと私は思います。その訳もまた「煽り」でしょう。道理に合わない、主客転倒といった意味に過ぎません」と違和感を述べた。

そもそも「盗人猛々しい」自体が日本語独特の表現。三省堂辞書によると、「盗人猛々しい」は

盗みや悪事をはたらき、それをとがめられても、ふてぶてしい態度をとったり逆に居直ったりするさま

を言い、前述の毎日新聞の堀山記者が訳した「居直る」というニュアンスに符号する。韓国語に相当するのが「賊反荷杖」で、日本語訳される時には「盗っ人猛々しい」という意味で使われきたこともあったのは確かなようだが、「盗人猛々しい」が激しい表現だけに、政治家や世論に与える影響力が大きいことを考えても、現在の日韓関係悪化にあっては、報道する側の「翻訳責任」も相応にある。

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