韓国で日本人女性暴行被害も、MeToo関係者沈黙がやり玉に

アゴラ編集部

日本人女性がソウルで韓国人の男に暴行被害を受けた様子の動画がネットで拡散し、日韓関係悪化を背景に両国で異様な関心を集めているが、さすがに今回ばかりは韓国国内でも男に対し、「恥さらし」などと手厳しい意見が噴出しているようだ。

聯合ニュース(日本語版)によると、捜査関係者のコメントとして「男を暴行容疑で立件し、侮辱容疑でも捜査している」との動きを紹介。韓国国内のネット世論でも、「徹底捜査して厳罰を科すべき。国の恥だ」「日本人に何の罪があるのか」などと追及する意見がみられるという。

また、週刊文春もこの日午後、オンライン版で「韓国三大紙も呆れた!日本人女性の髪の毛を掴んだ韓国男の情けない供述」と題した記事を配信。掲載から数時間でランキング1位になるほど関心を集めており、大統領府にも男の処罰を求める声が届くなどしていることを朝鮮日報が報じた内容を紹介した(朝鮮日報の日本語版記事はこちら)。

そうした中で日本のネット民から不満や指摘が相次いでいるのが、かつて「#MeToo」運動で女性への暴行やセクハラなどに抗議の声をあげた日本国内の関係者が、今回の事態に言及する姿があまり見当たらないことだ。

暴行の動画がネット上にアップされたのは23日だが、日本国内の#MeTooの旗手だった国際人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」は26日夕方現在、公式サイトで特に言及した記事はアップしていない。

また、同NGOの事務局長を務める伊藤和子弁護士のツイッターに対し、ネット民が25日、

ヒューマンライツナウは、今回の韓国での女性への暴行とヘイトに関しては無視を決め込む感じですか? metoo運動はもう終わりですか?

と投稿。伊藤氏はこれに先立ち、病気休養の旨を明らかにしていて、このネット民に対し、「病人に鞭打つネトウヨ」と中傷してやり返す一幕があった(当該ツイートは現在削除した模様)。

画像は一部加工しています(当該ツイートは現在削除)

ただ、さすがに事案を放置するとまずいと思ったのか、「韓国司法当局は厳正な捜査をすべき」と手短くツイート。それでもハッシュタグを使い、お得意の#MeToo を拡散するまではせず、随分と淡白に思える対応だった。

一方、昨年、#MeToo運動が盛り上がっていた際、特に活発にパフォーマンスをしていた野党議員を名指しする意見もみられた。

そういや昨年4月に福田事務次官のセクハラ発言を巡り、喪服を纏い「#MeToo」プラカを掲げて財務省に乱入した福島瑞穂や尾辻かな子や柚木道義ら野党議員は、ソウルで日本人女性が韓国人の男に暴行された今回の件で、南麻布の韓国大使館に突撃するんやろ?はるかに悪質なこっちをスルーなんかせんやろな

名指しされた福島氏、尾辻氏、柚木氏のツイッターは26日18時時点で、日本人女性の暴行問題は言及しておらず、むしろ韓国問題への政府への対応を批判するコメントが出ているだけだった。こうした対応にネット民からは、

先日まで元気に「女性の人権ガー」「性犯罪ガ暴行ガー」と元気に泣いていたのに

韓国で日本人女性暴行事件が発生した途端、姿が見えなくなりました。

とても心配です。
#MeToo の行方をご存じの方、情報ください。

と皮肉る声も出ていた。

一方、メディア界で#MeToo問題に特に熱心だったのが、バズフィード・ジャパンだ。動画が出回ってから3日経つが、いつもはネット上の話題を得意のバイラル記事でバズらせるのがお家芸なのに、こちらも今回は「沈黙」しているようだ(26日18時現在)。