週刊ポスト“断韓”記事非難のリベラルに「ダブスタ」とツッコミ

2019年09月03日 06:02

週刊ポスト(9月13日号)の韓国批判特集が、リベラル系の論客やメディアから「ヘイト記事だ」などと総攻撃を食らい、ポスト編集部が2日、謝罪に追い込まれる事態となった。

問題となった週刊ポストの韓国特集(編集部撮影)

しかし、非難している論者たちの中には、あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が非難された少女像などの展示内容は問題視しなかった人たちもおり、右派系のネット民を中心に「ダブスタ(ダブルスタンダード)では無いか」と疑問や批判が噴出している。

ポストの韓国特集は、メインタイトルが「韓国なんて要らない」。サブタイトルも「「嫌韓」よりも「減韓」、「断韓」を考える」といささかセンセーショナルになっているが、

人や物の行き来が多い隣国同士では、経済的、文化的な損失も生まれることになる。ただ、そうした損失やリスクは、どれほどのものなのか。誠意を持って韓国と付き合おうとする際につきまとう膨大なコストと、ここで一度、冷静に天秤に掛けて比べてみたい。

と述べており、軍事、経済、スポーツ、観光、芸能の5分野において、専門家の分析を下地に韓国と断交した場合の「禁断のシミュレーション」を敢行。ただ、断交した場合のデメリットは、韓国側だけでなく、日本側も受ける分についても忌憚なく挙げられている。

ただ、このシミュレーション記事の次のページで掲載している「怒りを抑えられない「韓国人という病理」」と題した記事が、“ヘイト”だと問題視されたようだ。詳細はポスト本誌に譲るが、タイトルにもあるように、反日デモや抗議集会などの“激情”ぶりの背景を、精神医学会の論文や警察のデータに基づいて読み解こうとしている。

中身より、見出しの印象やメジャー誌の影響をやり玉?

実際に本誌を入手して一読すると、センセーショナルな見出しが煽り気味ではあるものの、客観的な事実を積み重ねた記述だったように見える。しかし、非難する論者は、新聞広告などの「印象」を重視しているようだ。ライターの武田砂鉄氏は「疑問視する人は、編集部にいないのだろうか」と、広告の写メ付きでツイート。

ポストで連載を持っている小説家の葉真中顕(はまなか・あき)氏はツイッターで、「今週の記事は精神疾患当事者への偏見を煽るようなものもあってまじクソオブクソ。 てかこれもう立派なヘイトスピーチ、差別扇動だろ。 ポストみたいなメジャー誌が人を国や民族で雑にくくって面罵したり、まして馬鹿にしたら、社会全体に「このくらいOK」てシグナルになっちゃうだろ。」などと述べ、中身だけでなく、4大週刊誌の一角であるポストが韓国非難特集をする影響力の方を問題視。

また、同じく連載の執筆者の一人だった小説家の深沢潮氏はFacebookで、連載から降板する意向を明らかにした。

さらに、「街場のマンガ論」など著作を小学館から出版している作家の内田樹氏は「僕は今後小学館の仕事はしないことにしました」などと、小学館側に“圧力”をかけて見せた。

左派系を中心にした論客が騒ぎ始めたことで、ネットメディアでは、朝日新聞系のハフポストや、元朝日新聞記者が編集部の主力を担うバズフィードも早速、便乗。ネット上で批判派の拡散の材料を与える展開になった。

(ハフポスト)「韓国なんて要らない」週刊ポストの特集に作家たちから怒りの声。「今後仕事はしない」とする作家も

(バズフィードジャパン)週刊ポストの「韓国なんて要らない」特集、編集部がお詫び 批判相次ぎ 

「世論」のうねりに怯えたか、週刊ポスト編集部は、この日夕方、NEWSポストセブンに「週刊ポスト9月13日号掲載の特集について」と題したお詫び文を掲載。「多くのご意見、ご批判をいただきました」と述べた上で、

『怒りを抑えられない「韓国人という病理」』記事に関しては、韓国で発表・報道された論文を基にしたものとはいえ、誤解を広めかねず、配慮に欠けておりました。お詫びするとともに、他のご意見と合わせ、真摯に受け止めて参ります。

と謝罪した。ただ、記事の撤回や当該号の回収はしないあたり、小学館社内や編集部内の複雑な思惑を感じさせる。しかし、謝罪に追い込んだ結果には変わらず、この一連の事態に、左派論客やメディアとしては「新潮45」を廃刊に追い込んだほどではないにせよ、ちょっとした「勝利」というところか。

巻き起こるダブスタ批判と蒸し返される「あいトレ」

しかし、リベラル陣営の騒ぎを冷めて見ていたのが、右派系のネット民たちだ。彼らの間では、ポストを批判する左派側の姿勢について、逆に「ダブスタ」だという指摘や非難が巻き起こっている。

保守系論客で、元週刊新潮デスクの門田隆将氏はツイッターで「韓国批判は「ヘイト」日本を貶めるのは「表現の自由」がこの国の奇妙な二重基準。」と指摘。「この程度をヘイトと騒ぐ作家は、余程の見識の持主」とばっさり切り捨てた。

ネット民の間では、ポストを非難している作家らが、あいちトリエンナーレ(あいトレ)の表現の不自由展の展示内容が問題視された際に、特にコメントしなかったり、逆に擁護的だったりしたからと考えていることも不満を集めている。

『週刊ポストこそ要らない』と叫ぶやつらが、あいちトリエンナーレの表現の不自由展を支持するという、いつも通りのダブスタ。結局皆、表現の自由も言論の自由もどうだっていいんだろ?自分たちが気持ち良けりゃ。

あいちトリエンナーレの慰安婦像や天皇顔写真焼き討ちや特攻隊侮辱は表現の自由を尊重しろとか言っておきながら週刊ポストの韓国批判は騒ぎまくって平気で叩き潰すとかダブスタもいいとこじゃねえか

実際、彼らのあいトレ問題のスタンスはどうだったのだろうか。小学館を切り捨てる姿勢を見せた内田氏の場合、朝日新聞系のAERA(8月26日号)のインタビューでは、展示内容を問題視した政治家を批判することに終始し、問題とされた展示内容について言及していない。

さらには8月28日の時点で、神奈川県の黒岩知事が記者会見で、表現の不自由展問題に話題が及び、「表現の自由は非常に大事だが、何でも許されるわけではない」「あれは表現の自由ではなく、極めて明確な政治的メッセージ。県の税金を使って後押しすることになり、県民の理解は得られない」など批判的に論評したことについて、内田氏は

表現自由」と「政治的中立性・公平性」と「世間の常識」の間にはしばしば不整合があります。あって当然です。 だから公人は悩んで、葛藤して、苦渋の暫定的決断を下すしかない。そういう時に葛藤なく、さらっと答えを出せる人間は「深くものを考える習慣がない人間」だということです。

などと黒岩氏を軽んじるように反対意見を投稿。少女像などの展示内容を是認しているとも取れるツイートをしていた。

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