毎日記者の質問と酷似?森ゆうこ氏の相変わらずの的外れ

2019年11月07日 19:00

森ゆうこ・参議院議員が、10月15日参議院予算委員会に続き、11月7日参議院農水委員会において、再び私に関する国会質問を行った。

参議院インターネット中継(11月7日)より

驚いたのは、質問内容が、毎日新聞記者から私に送付された9月30日付の質問状の内容とそっくりだったことだ。毎日新聞は9月頃、私以外の関係者にも同様の取材を行っていたが、これまで記事にしていない。

記事にはならないことを、国会議員に持ち込んで取り上げてもらったとすれば、これは普通のことなのだろうか。あるいは毎日新聞ならではの編集・経営方針なのだろうか。

議員の方々もよく使われる言葉でいえば、これぞ「ズブズブの関係」ともみえてしまう。新聞倫理綱領に定められる「独立」性の観点でも疑問がある。両者の関係は、これから更に精査したい。

以下では、森議員の質問についてコメントする。今回は、私が理事を務める外国人雇用協議会が特区WGで提案を行ったことを捉え、「自作自演」などと批判した。全く的外れだ。

1)まず、大前提として、国家戦略特区は、規制改革のための仕組みであり、特定の者に利権を与える仕組みではない

森議員は、「特区は、提案者に利権を与える仕組み」と理解し、だから「特区WG委員の関係者が提案を行うことは、利益相反にあたる」との前提に立っている。
ここが、根本的に間違っている。

6月11日の毎日新聞報道以来、繰り返し説明を続けてきたが、国家戦略特区は、規制改革のための仕組みだ。補助金や許認可のように、特定の申請者に利益を与えるプロセスではない。

特区の提案は、委員だけの見識では限りがあるので、それ以外にも「広く現場から衆知を集める」(国家戦略特別区域基本方針・第六)目的で行っている。特区WGが提案を審査・選定するわけではない。

補助金や許認可とは異なり、提案者と特区WG委員の間には、「利益相反」関係はない。私だけでなく、八田達夫・特区WG座長らも抗議声明を繰り返してきたとおりだ。

毎日新聞も森議員も、この点をなかなか理解いただけない。大前提が間違っているので、「自作自演」などという的外れな批判が出てくる。

2)外国人雇用協議会と特区WGの立場に利益相反関係はない

外国人雇用協議会は、2016年に設立した一般社団法人だ。私は設立当初から理事を務めている。なお、代表理事は当初、堺屋太一氏だったが、2019年2月のご逝去に伴い、その後は私が代表理事を務めている。

この協議会は、安易な単純労働外国人受入れに流れがちな政策運営に抗し、日本の企業・社会で中核人材として本当に活躍していける外国人だけを受け入れ、故・堺屋太一氏の言葉でいえば「次世代日本人」として育てていくべきとの理念を共有する企業等が集まって運営している。この理念の実現のため、政府への政策提言を行うほか、日本語能力や日本のビジネス常識などの水準を確認するための試験制度の検討・試行なども行ってきた。

私がこうした団体の理事を務めることは、特区WG委員の任務と何ら矛盾しない。だから、最初から何も隠すことなく、すべて明らかにして活動している。

協議会の活動の一環で、2016年11月に、特区WGへの規制改革提案も行った。前述1)のとおり、特区WGへの提案は、「広く衆知を集める」目的であり、提案を審査・選定したりするわけではないから、委員の関係者も含め幅広く提案は受け付けている。それにより何ら利益相反は生じない。

3)特区WGでの外国人雇用協議会からのヒアリング(2016年11月24日)に私は出席していない。これは、利益相反が生じるからではない。

特区WGにおいて、委員が自ら規制改革の案を示すことは、そもそも本来任務である。だから、私自身が特区WGに提案者の立場で出席することも、何ら問題はない。

このときは、他の特区WG委員から厳しい指摘も含め闊達な議論がなされやすくするための配慮で、自らの判断で、出席はしないことにし、事前に事務局にもその旨を伝えていた。ただ、前後に別のヒアリングがあったため、少なくとも一部を室内で傍聴した。

「利害関係のある提案が行われ、それを隠ぺいするため、“出席しなかったことにした”」かのような憶測は、およそ事実と異なる邪推だ。また、オブザーバーとしての傍聴だから、当たり前だが、謝金の対象外にしてもらったはずだ。

八田座長の発言に「今、原さんがおっしゃったように」との記載のあることが殊更にとりあげられた。

これは、私が傍聴席から「インバウンド対応の外国人材にも最低限の日本語は必要」とコメントしたと記憶しており、それを受けた発言だ。当時、「インバウンド対応で人手不足に応えるため、日本語能力は不問でともかく外国人材を受け入れるべき」との主張が一部であり、これに対して私は「日本語能力のない外国人材を受け入れるべきでない」と唱えていた。

これは傍聴者の発言なので、議事要旨に掲載されないことは当然だ。一方、私がこうした意見表明をしていたことは、公にして何ら差し支えないから、「今、原さんが…」の部分をわざわざ削除する必要もないと考えている。

4)その後の特区WG(2016年12月6日)では、特区WG委員の立場で、関係省と協議を行っている。

外国人雇用協議会の提案は、調理・美容、アニメなどの一定分野において、日本語能力と仕事上の技能などを有する者を、客観性ある試験で選び、裁量的になりがちな入国基準に客観性を持たせるべきとの提案だった。

当時、特区WGでは、これ以外にも外国人受入れ関係で多くの提案があり、すでに議論が進行中だったところ、新たな提案も踏まえ、さらに協議を進めた。

森議員は、外国人雇用協議会の提案のためだけに特区WGが開催されたととらえているようだったが、事実と異なる。また、そもそも、特区WG委員と提案者の間に「利益相反」はなく、同じ方向を向いて仕事する立場だから、いずれにせよ問題の生じる余地はない。すべてオープンに行ってきたことだ。

<参考>
2016年11月24日 特区WGヒアリング(外国人雇用協議会からのヒアリング)
2016年12月6日 特区WGヒアリング(法務省・厚生労働省・農林水産省との協議)

5)「特区ビズ社、内閣府、政策工房の三者で群馬県昭和村にセールスにいった」との事実はない。

森議員は、外国人雇用協議会の話のあとで、「特区ビズ社、内閣府、政策工房の三者で群馬県昭和村にセールスにいった」との話もした。そんな事実はない。

当時、特区ビジネスコンサルティング社は、特区関連でのイベント開催などを主に行っていたと認識しており、イベントでの事例紹介の取材のため、村役場の訪問時に同行してきたことがある。特区制度のPRの仕事にも関わるので、内閣府事務方も同行した。

同社と昭和村で取引がなされることはおよそありえないことであり、加えて念のため、私から同社に、決して金銭取引などは行わないよう伝えたことも記憶している。

一緒に「セールスにいった」など、全くの間違いだ。

以上のとおり、森議員の今回の質問は、事実の根拠なく、あたかも私が不正を行ったかのごとき発言をさらに重ねたものだ。およそ許容できない。

そもそも、森議員は、10月15日の参議院予算委員会で発言した「(原氏が)国家公務員だったらあっせん利得、収賄で刑罰を受ける(行為をした)」とまで発言した。具体的に私の行ったどの行為がそれに当たるのか、説明をお願いしているが、いまだにお答えをいただけない。

ぜひ国会において、当事者双方の証人喚問を実現いただき、森議員にも免責特権の枠外でご回答いただけることを希望している。

原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。


編集部より:この記事は原英史氏のFacebook投稿をベースに一部加筆・作成されました。

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原 英史
政策工房 代表取締役社長

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