森ゆうこ議員、国会での名誉毀損に加え、国会でのプライバシー侵害

原 英史

森ゆうこ議員は、11月7日参議院農水委員会で、再び私に関わる質問をした。根本的な間違いに基づく内容であり、反論を公開済みだ。

毎日記者の質問と酷似?森ゆうこ氏の相変わらずの的外れ

森議員は、10月15日参議院予算委員会で、私について犯罪者並みと言及した。具体的に私のどの行為がそれにあたるのか、説明を求め続けているが、いまだに回答いただけない。ぜひ当事者双方の証人喚問を実現いただき、森議員にも免責特権の枠外でお答えいただいて、早期に解決できることを願っている。

参議院インターネット中継より

11月7日の質疑では、さらなる問題が起きた。国会でのプライバシー侵害だ。

森議員が質疑で配布した資料に、驚いたことに、私の自宅住所情報が掲載されていた。しかも、森議員は質疑後、これをそのままネットに公開し、ツイッターで拡散した。

気がついて直ちに、代理人を通じ、森議員および国民民主党・玉木雄一郎代表あてに抗議書を送付した。その後、8日16時半頃、住所情報は黒塗りして再公開された。

事後対応に関する限りは、森事務所のスタッフの方には、迅速な対応をいただいた。この点では良い印象を持ったが、それでよしとするわけには到底いかない。

他人の住所情報を勝手にネット公開・拡散することは、常識的におよそありえない。社会経験の乏しい未成年者などがうっかりやったならともかく、国会議員がこんなことをしたのは、驚愕するよりほかない。

法的にも、法人登記簿で代表者の住所情報が公開されているからといって、ネット上で広く一般に公開することが許されるわけではなく、過去の裁判例もそうだ。森議員はこれまで、法務委員会でもしばしば質問してきた。法人登記簿の住所情報について、過去に犯罪につながったとされるケースがあり、開示を限定すべきとの議論が長年あったことぐらい当然知っていただろう。まして、それを一般にネット公開するなど、考えられないことだ。

以上は、自宅住所の話だ。

森議員は、もうひとつ、私が代表取締役を務める政策工房の会社住所も、資料に掲載し、質疑の中でわざわざ読み上げもした。個人情報ではないので緊急に削除まで求めていないが、これも、一般には公開していない住所だ。

公開していないことには理由がある。過去に不審者が事務所建物に入り込むなどの事案があった。今年夏にも、不審者が建物内の写真をSNSで公開し、脅しともとれるメッセージを残した。従業員も含め万一のことがあってはいけないので、所轄警察署に相談して対策を講じ、ようやく心配が軽減できそうになってきた矢先だった。

森議員のおかげで再び問題が生じかねないことを、また所轄警察署に相談にいかなければならない。

しかも、森議員がなぜ会社住所を明らかにしたのかも、さっぱりわからない。

私が代表取締役を務める政策工房と、私が理事を務めてきた外国人雇用協議会が「同じ住所」だと指摘しているが、それに何の意味があるのか不明だ。どちらか片方の法人が非公開で、私に関係あると示したかったならばわからないでもない。しかし、私が双方の法人で役職を務めていることは、私のプロフィールでずっと公開してきたことだ。公開されたくない住所情報を、無意味に公開されたとしか考えられない。

ともかく、どちらの住所に関しても、今後万一何らかの問題が生じたときは、森議員のネット公開との関連性を徹底的に調べ、追及させてもらう。

ネットで晒すのは論外だが、そもそも、自宅住所のような個人情報を掲載した資料が国会で配布されたことも問題だ。
こうしたことが繰り返されないよう、国会でのプライバシー侵害をいかに防ぐか、ぜひ国会で議論いただきたい。

本来あってほしくないことだが、国会議員の中にもし、一般的な社会規範に明るくない方がいるなら、そうした方には行政機関の国家公務員並みに、研修プログラムの提供なども検討されたらいい。

国会には、国民の代表が集う場にふさわしい運営を、ぜひお願いしたい。

原 英史
1966年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制 ~誰が成長を阻むのか』(新潮新書)など。


編集部より:この記事は原英史氏のFacebook投稿をベースに一部加筆・作成されました。