堀江貴文さん直訴!HPVワクチン勧奨再開は政治の決断

太田 房江

昨日は早朝から、医療関連の大変重要な会議が続きました。

1つは、日本歯科医師会が主催する「国民歯科問題議連勉強会」。

最近、口腔機能の管理、すなわち歯と口の健康管理が人間の健康寿命延伸に大きく貢献する様々なエビデンスが発表されていますが、一般の方々にもその意識の高まりが広がっていることは間違いありません。「8020運動」―80歳になっても自分の歯を20本以上保とう、という運動ですが、この達成率をみると、昭和62(1987)年は7%と1割にも満たなかったものが、平成28(2016)年には51%、約30年で5割まで上昇しています。日本歯科医師会等の地道な活動の大きな成果だと考えます。

続いて開催された、「HPVワクチンの積極的勧奨再開を目指す勉強会」。

日本で年間約1万人が罹患、3千人程度が死亡するという子宮頸がん。ほとんどの子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染が原因とされていますが、HPVワクチンはそれを予防する非常に有効なワクチンとして、平成25(2013)年から定期接種が開始されました。

しかし、その後、疼痛や運動障害を中心とした多様な症状が報告され、これとワクチンとの関係性がマスコミ等でも多く報道されたところです。結果、厚労省の審議会では、国民に適切な情報提供ができるまでの間、HPVワクチン定期接種の積極的勧奨を差し控える、ということになり、現在に至っています。

HPVワクチンの重要性を訴える堀江さん

昨日は、一般社団法人 予防医療普及協会 理事として積極的に普及活動をされている、ホリエモンこと堀江貴文さんが講演され、ワクチンの勧奨再開を訴えられました。

「僕たち(民間)ができることは終わった。あとは政治の決断しかない。HPVワクチンの有効性を広め、勧奨再開を実現できるのは政治だけ」と堀江さん。

聴講中の筆者

もちろん、今後も様々な検証を続けていくことは当然ですが、それを踏まえながらも、最後は「決断」。これが、私たち政治家の最大の責務です。少子化や女性活躍推進のためにも、大きな決断を下すときは「今」と私は考えます。


太田 房江(おおた ふさえ)参議院議員(自由民主党、大阪府選挙区)
1975年通産省(現・経済産業省)入省。2000年大阪府知事選で初当選し、日本初の女性知事に。2008年に知事退任後、民間企業勤務を経て、2013年参院選で初当選(現在2期目)。厚生労働政務官などを歴任。公式サイトツイッター「@fusaeoota」LINE@