中田宏の知っトク解説。今回は“国連”。
国連(国際連合)を一言で説明すれば、世界平和を実現するという意義がある機関です。
そのことは国連憲章などに明記され、そのための組織や附属機関などが置かれています。
現在の加盟国数は193ヶ国におよび、運営は加盟国の分担金で賄われます。
分担率が最も高いのはアメリカの22%、2位が中国で12%、3位が日本で8.5%となっています。
国連の中枢と言えるのが安全保障理事会(安保理)です。安全保障理事会は合計15ヶ国で構成されています。そのうち5ヶ国は常任理事国で改選はありません。残りの10ヶ国は非常任理事国で、任期は2年です。常任理事国の5ヶ国は、イギリス、フランス、アメリカ、ロシア、中国です。常任理事国である5ヶ国には拒否権があります。この拒否権を1ヶ国でも発動すれば、残り全ての国が賛成しても物事は決まりません。すなわち、この5ヶ国の特権的な機関とも言えます。
国連を英語で言うと、United Nationsです。日本では国際連合と訳されて中立的に聞こえますが、実はUnited Nationsは連合国という意味です。この連合国という言葉が何を指してるかというと、第二次世界大戦時の連合国です。
第2次世界大戦中にアメリカのルーズベルト大統領が考えた言葉で、26ヶ国の政府代表が日本、ドイツ、イタリア、ハンガリー、フィンランドなどの枢軸国と戦うということを誓った、1942年1月1日の連合国宣言の中で初めて使われた言葉です。その後、1945年6月に国連憲章が署名され、同年の10月24日に正式に国連が発足しました。
もともとは戦争中の連合国。戦後に戦勝国と言える国々が作った組織なので、国連憲章第53条77条、107条には敵国条項というのがあります。戦争を回避し、紛争を平和に解決するというのが国連の基本ですが、連合国の敵国に対しては安保理などでの議論や許可がなくても、制裁を加えて武力攻撃をしてもいいということになっています。
各国にある国会などは国の最高機関で強制力があることも決めることが出来ますが、国連は国際社会の最高機関ではなく、また5ヶ国の拒否権もあるので、世界最大の協議機関と考えるのが正解かもしれません。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2019年12月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。