新型肺炎よりインフルエンザのほうが危険

2020年02月08日 06:30

新型コロナウイルスの感染が拡大し、患者は3万人、死者は600人を超えたが、死者は今のところほぼ中国に限られている。日本では25人の患者が確認され、クルーズ船では61人(うち日本人は21人)の感染が確認されたが、死者は1人も出ていない。診察した医師の話によると、

健康な方が罹っても重症化する可能性は高くない感染症だろうと思います。ただ「だるい」という症状は強いようですし、インフルエンザと比べると症状の続く期間は長い印象ですので、仕事を休まないといけない期間は長くなるかもしれません。

この感染症が広がると、社会に与える影響は決して少なくないだろうと思いますが、健常者が罹った場合に命に関わる可能性は高くないだろうと考えます。

まだ感染は拡大中なので楽観はできないが、今までの情報では、症状はインフルエンザと似ており、重症の患者はほとんどいない。

他方インフルエンザの患者は、国立感染症研究所の推定では、今年は1週間で65万4000人(動画では数字を間違えた)。インフルエンザの致死率は0.1%ぐらいなので、600人程度の死者が出るだろう。今年は大流行した去年に比べると少ないが、それでも新型肺炎よりはるかに危険だ。

新型肺炎の致死率は2%程度でインフルエンザより高いが、死者は武漢に集中している。それに感染するリスクは、中国人と握手でもしないかぎり小さいが、インフルエンザのリスクはどこにでもある。これは原発事故の放射能よりタバコの煙のほうが危険なのと同じだ。

 リスク=被害×確率

なので、死亡率が小さくても感染する確率の高いインフルエンザは、新型肺炎よりはるかにリスクが大きいのだ。そして新型肺炎にはワクチンがないが、インフルエンザにはある。

アメリカではインフルエンザが大流行し、今シーズン1500万人の患者が発生して1万人の死者が出ているが、日本の空港では検疫も行われていない。新型肺炎は「2類感染症」に指定されたが、インフルエンザは検査を義務づけない「5類感染症」だからである。

もちろん政府が水際作戦で新型肺炎を重視するのは当然で、マスコミ的には新型肺炎のほうがはるかにおもしろいが、あなたが健康のために警戒すべきなのはインフルエンザなのだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長(学術博士)

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