全国一斉休校で新型肺炎問題は悪化する

2020年02月28日 06:03

安倍首相は27日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、全国のすべての小中学校と高校に3月2日から春休みまで臨時休校するよう要請する考えを表明した。

普通のインフルエンザでは、学級の10%の子供が休んだら学級閉鎖するルールになっており、何も起こっていないのに休校するという過激な措置は中国でもとっていない。

全国一斉の休校を要請した安倍首相(官邸サイトより)

これは25日に専門家会議の出した基本方針を踏み超えるものだが、専門家会議のメンバーは「専門家会議で議論した方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談なく、政治判断として決められたものだ」と語っている。

駒崎さんもいうように新型コロナの特徴は高齢者に被害が集中することで、日本でも今まで国内で出た3人の死者はすべて80代だ。子供に学校を休ませても、感染の拡大を防ぐことはできない。

おまけに共働きの家庭では、母親が医療機関に出勤できなくなるケースが出てくる。帯広厚生病院では、北海道が全校休校を決めたため、看護師の2割が出勤できなくなって外来診療の一部を休止した。全国一律に休校したら、今でも新型コロナに対応できない医療体制が崩壊するおそれがある。

肺炎のリスクはインフルエンザのほうがはるかに大きい

患者にとっては新型コロナとインフルの症状は同じなので、区別する意味はない。新型コロナには治療薬がないので、検査してもしょうがない。新型コロナの感染力も致死率もインフルエンザとほぼ同じで、今までの感染者は175人(死者3人)。それに対して今シーズンのインフル感染者は675万人(死者1000人)。新型コロナは風邪のリスクを0.002%増やしただけなのだ。

インフルの今週の患者数は18万8000人とピークの1/4以下に減っており、新型コロナと合計しても風邪の患者は減っている。これから新型コロナの感染者が爆発的に増える可能性もあるが、3万倍以上に増えてもインフルの減少を相殺する程度だ。コロナウイルスも暖かくなったら消えるかもしれない。

あなたが肺炎で死ぬリスクは、インフルエンザのほうが新型肺炎よりはるかに大きい。新型コロナだけに騒ぐことは、政治的には意味があるが、あなたの健康にとっては意味がないのだ。

厚生労働省の資料より

いずれにせよウイルスをゼロにすることは不可能だし、必要でもない。大事なのは図のように、患者の増えるスピードを抑えて医療の限界を超える感染を防ぐことだ。これは具体的には接触を減らすことしかなく、インフルも新型コロナも同じだ。

新型コロナでマスコミが騒ぐために、医療の現場は疲弊している。医療スタッフを減らす一斉休校は、愚の骨頂である。今回の要請には法的根拠がないので、自治体や学校はその必要性を自主的に判断して決めるべきだ。

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池田 信夫
アゴラ研究所所長(学術博士)

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