2週間後に重症や死者が爆発するという人たちの予想はどうして外れているのか

2020年08月02日 20:30

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7月24日に公開されたこちらの記事

コロナウィルス再流行――「重症が少ない」「インフルと同じ」は戯言だ海老原嗣生 / 雇用ジャーナリスト

わたしと同じ、医療の専門家ではない方が、わたしと違う見方でコロナは実は言われている以上に危険だということを解説されている。医療の専門家もテレビで解説するときに同様の論理展開をする人が多い。

この記事は非常に丁寧に書かれているが、いくつか肝心なことを見逃されていると思う。マーケティングやってる人間ならすぐに分かる作為的な母数の変化に対する疑問です。各首長も同じように理解していない人が多い。テレビで見る限り菅官房長官はおわかりのような気がした。

この方は記事の中で

ちなみに、陽性判明から10日程度で症状が悪化する人が多いため、現状の新規重症者は7月10~15日の新規感染者と思われる。その後、60歳以上の新規感染者数は倍増しているので、7月末には日に5名程度の新規重症者が現れると思われる。

と予測されたのであるが、実際には

このように遷移して、7月末には日に5名程度増えるどころか、増加速度は7/24〜7/31の間では1日あたり増加はゼロです。非常になだらかなカーブ。この2週間(7/17〜7/31)の1日あたりの増加速度は10人→16人で、1日あたり0.42人しか増えていない。増加したのは60%である。

しかし東京都の陽性者数は

このように爆増。しかし発症もしてない人を「患者」としているのは常識外れとしかいいようがない。これなら子供の8割は保菌しているから肺炎球菌患者ということになります。
仮に2週間遅れで波がくるとすると、(7/17〜7/31)より2週間前ならば7/3〜7/17のになるわけだが、このときの1日の陽性数は

124人 → 293人で 136%アップになる。2週間前に急激に陽性数は増えたのであるが、重症はゆっくりとしか伸びていない。

陽性が2週間前に136%アップなのに
重症者は60%アップ

なので、陽性者の拡大と重症の拡大は同じ角度では無い事が分かる。陽性の拡大率のほうが遥かに大きいわけですね。これならたとえば東京の陽性が500人で重症20人とすると、陽性が1000人の2倍になっても、重症は30人にしかならないから、重症者がピークの時の100人超えになるまでには相当な時間がかかることになる。

この傾向は全国でも同じで

感染者数の伸びより重症者の伸びは、たとえ2週間前の感染者数の伸びと比較しても同じように遅い。1日あたりの陽性数が219%アップになっても2週間後に重症は120%アップ。だいたい増える係数は約半分だ。つまり陽性者数が2倍、つまり100%アップになっても、重症数は50%しか伸びない。死者数に至っては、コロナ以外の死者も含んでいるのであるが、それでも足踏みしていて夏のインフルエンザ死者と変わらない。認可されたステロイドが効いていると思われる。疾病の恐ろしさは死者数で表せるので、コロナはすでに恐ろしいとは言えないと思う。

陥りやすい勘違い。検査はランダムではなく作為的ということ

この方は

4月は高齢の感染者が非常に多かったが、6月は少なかった。東京都の実数で60歳以上の新規感染者数を比較すると、4月1100人に対して、6月は107人と10分の1以下となっている。

4月時点では「37.5℃以上の発熱が4日続いた場合」にPCR検査を受ける、という人が多かった。

と並記されているのに、一番肝心なことを見逃している。それは

4月以前の検査は無症状や軽症が大半の若者はそもそも検査から外れた

という点です。前提としてそもそも4月は若者の検査次第がされていない可能性が高いのだから、今は若者が多く高齢者が少ないから重症、死者が少ないという仮説も成立しないのである。4月にもキャバクラのクラスターはあり、このよに専門家会議でも発表されていた。そのときに歌舞伎町の全員検査をしていたらいまと同じ比率で若者ばかりの無症状の陽性が出たことは間違いないと思う。

※専門家会議の資料より

もうひとつは

PCR検査対象が違っては目安にならない

ということがある。
新聞やテレビの世論調査は、まったくてんでバラバラに電話したりはしない。年齢や性別で分布が均等になるように調査をしないと調査としては意味がないからです。

いまのPCR検査は「ホストクラブが怪しい、全員検査しろ」と、若者中心に手当たりしだいにやったり、学校で一人出たから他の生徒を全員検査しろで手当たり次第。検査対象が刻々と変わる。つまり

高齢者に陽性が少ないのはそもそも高齢者を検査していないから

という可能性が相当に大きいはず。若者ばかり検査すれば高齢者の比率が少なくなって当たり前なのだ。
本来であればPCR検査対象の年齢、性別、属性、などをきちんとデータベースにすべきなのだが、検査対象のデータは見たことさえない。

東京都はいまだにFAXで手作業で合計出すとか昭和から進んでいない。これでは感染が拡大しているかどうかもはっきりしない。前のエントリーでも書いたが

そもそもの陽性の母数が、4月までは「37.5度以上の熱が4日以上続く「患者」で、いまは発症もしていない人を半数も「患者」として入れている。与論島なんて数えたら44人中、37.5度以上の熱が出たのはたったの4人です。これを一緒くたにしているから「陽性が4月よりずっと多いのに重症や死者は少ないな〜」になるのである。

PCR検査数の増加により感染者が増えただけ、という見方もできるが、検査を増やせば市中感染が変わらないなら陽性率は下がる。ところが、陽性率は5月のボトム時の0.6%から現在は7%超へと10倍以上に跳ね上がり、さらに上昇基調にある。

この、陽性率というのがデータ的には全くあてにならないのがココまででわかったでしょう。
ホストは東京では30%、大阪では20%の陽性率だということがわかっている。ホストだけを200人全員検査したら陽性率は上がるし、学校だけを全員検査したら下がる。それだけの話である。検査対象の属性によって変わる陽性率を市中感染の目安にするなんて馬鹿馬鹿しいにもほどがある。誰とは言わないが、首長の中にはこれを市中感染率として発表しているのまでいる。統計というのを理解できない首長、大丈夫か。

きちんとした指針を出すにはどうするか

各首長も統計や分析の素人ばかりのようで、岐阜はその最たるもの

死者は5月に1人でただけ。重症もゼロで独自の緊急事態宣言です。ほんと、もしかのときの責任逃れも甚だしい。

3.11の復興特別所得税2013年分から2037年分まで25年間課税されている。

年収500万で総額11万円
年収1000万で56万
年収2000万なら221万円だ。

コロナの出費はこのときのすでに5倍。払うのは現役。さらに自粛などやるとどんどん加算されていく。子供に未来がなくなる。自分の支持者の高齢者だけでなく子孫のことも考えて欲しい。
ではどうするかといえば・・・・・

きちんとした指針を決定するには、きちんとしたデータが必要なのである。市中感染が本当に広がっているかを判断するには

毎日100人、県庁の職員を性別、年代別に分けてPCR検査

すればすぐ分かる。感染リスクが高いバイアスがかかる医療系の人員は避ける。高齢者は職員にいないから、高齢者の集まるところでサンプリングする。これを毎日やる程度のPCR検査の余力は十分にあるだろうし、こうしたきちんとしたデータもないまま、自粛に突っ走って現役や子供たちの未来を潰すようなことは絶対にやめてもらいたい。

3月に中国が「発症者しか患者としてカウントしない」としたときは、コロナ脳が一斉に中国は酷いと騒いだが、わたしははっきり賛成していた。いったいどの病気で発症もしていないのに患者扱いするものがあるのか。何度も言うがそれなら子供は肺炎球菌の保菌率80%で、年間30000人もの高齢者が感染してなくなっているのだが子供は全員閉じ込めないといけなくなる。インフルエンザだって4割が無症状だがこれは患者数にカウントされない。

正しい政策判断には正しいデータが必要

なのである。保健所からFAXで送られてきたものを手作業で集計していたのでは、どの人がどのように容態が変わったり退院したのかも分からない。最低でもデータベースを作って保健所が入力して県が管理画面を見るくらいはして欲しい。

PCR検査時
1 マイナンバー
2 発症の有無と程度
3 検温

※コレを検査前にしないと、陽性出たらなんかだるい気がするというノセボ効果を排除できない

陽性発覚
1 マイナンバーと年齢などは検査と紐付け
2 症状
3 所在

で、症状や退院などはその都度保健所がリアルタイムに入力

こんなのは世の中にいくらでも同様のCMSがあるし、外国製が嫌ならサイボウズならすぐでしょ。FAXであとから追加情報も入力できない有様で、指針もへったくれもない。特に酷いのは東京都で年齢と性別しかない。沖縄だってこれくらいの情報はあるのに・・・東京都の情報が日本で一番カスッカス。

さて、結論であるが、わたしの主張は以下の通り

1 発見される陽性は爆増しているがこれは検査対象を広げて馬鹿みたいに検査しているから
2 陽性は4月にはもっといたはず。でないと死者や重症者との整合性がとれない
3 陽性の増加と死者の増加率は同じではない
4 このまま検査を広げて陽性が爆増しても死者は激増しない。

で、ここからが肝心ですが・・・・

肺炎球菌で年3万人、インフルエンザでは超過死亡1万人亡くなっても経済は止めたことはない。どこまでの死者なら社会は許容するべきなのか、経済に与える打撃と比較して政権がはっきりと指針を示すべき。それをしないと次の選挙対策のために各知事が暴走して国が破綻してしまいます。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年8月1日の記事より転載させていただきました。

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