緊急事態宣言「4人以下、午後8時まで」国会議員の会食ルールに呆れる

2021年01月07日 11:00

1都3県を対象に7日、緊急事態宣言が発令されるのを受けて、自民党の森山裕国対委員長は、国会議員の会食について、宣言の対象地域では「4人以下で午後8時まで」とするルールを設ける考えを示した。それに対し、日本医師会の中川俊男会長が会見で「緊急事態宣言下においては、全国会議員の夜の会食を人数にかかわらず、全面自粛してはどうか」とピシャリ。全く同感である。

GCShutter/iStock

確かに、議員は人と会うのも仕事。なので会うなとは言わない。だが、「会食」である必要はあるのだろうか。リーダー(指導者)の基本は率先垂範である。国民に複数人での会食を控えよというならば、先ずは自らも控えるべきだろう。

自民党の森山裕氏は記者団に「大勢で会食するのは問題。かといって議員が人と全く会わないのも無理がある」と述べたという。人と会うなとは言わないが、感染確率を高める複数人での会食である必要は全くない。国民にだけ会食は遠慮をと言っておきながら自分たちはOKとは、多くの国民は納得いかないのではないか。

第一、人と会わなければいけない職種は国会議員だけではない。他の職種の人だってそうだろう。人々が4人以下でも会食すれば、感染が広がる確率は上がる。国会議員の会食ルールは、事実上、複数人で会食してもOKと言っているようなものだ。国会議員の複数人での会食がOKならば、何故、特措法を改正して飲食店等に対して、罰則を課する必要があるのか。複数人での会食がOKならば休業・時短要請に従う必要など全くないのではないか。

国会議員の会食規定で「午後8時以降は控える」というのも、国民に対して、日中の会食は問題ないという誤ったメッセージを与える事になる。今回の国会議員の会食規定を見て改めて思ったのは、議員というのは自らには甘い人々だということだ。危機に対する管理能力も低い。自らに甘いから、例えば不正があってもなぁなぁで済ませ、自浄作用というものが働かない。その割に、国民に対しては厳しく罰則規定まで設けようとしている。

首都圏に緊急事態宣言が再発令されたが、飲食店の営業時間短縮に留まらず、さらに踏み込んで国民の移動が制限される可能性もある。そんな中で、国会議員が「4人以下で午後8時まで」というルールを錦の御旗に会食にいそしむことは許されない。

江戸時代後期の奥州白河藩主で後に老中となる松平定信は、民衆が飢餓・困窮に陥った天明の大飢饉の際、自ら率先して倹約を重んじ、難局を乗り切った。現代の国会議員の皆さんにも、このくらいの覚悟と自覚があればと思う。

濱田 浩一郎(はまだ・こういちろう)
兵庫県出身 。皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。歴史家・作家・評論家。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員・姫路日ノ本短期大学講師・姫路獨協大学講師を歴任。大阪観光大学観光学研究所客員研究員。著書に『播磨赤松一族』(新人物往来社)、『あの名将たちの狂気の謎』(中経の文庫)、『日本史に学ぶリストラ回避術』(北辰堂出版)、『日本人のための安全保障入門』(三恵社)など

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