社民党リスク - 岡田克敏

2009年07月27日 10:45

 共通の敵と闘っている仲間は結束が強いのが世の常です。しかし敵が消滅するや否や仲間割れが始まることもまた世の常であります。自民党という共通の敵が消え去ろうとしている今、次の記事はこの先の民主党と社民党の関係を暗示しているようです。

『社民党の福島瑞穂党首は23日、民主党が衆院選のマニフェストにインド洋での海上自衛隊による給油活動中止を盛り込まないことについて「野党がみんな反対した法律だ。なぜマニフェストから落としたか理解できない」と述べ、民主党の対応を批判した 』(23日 NIKKEI NET)
 また非核三原則をめぐり民主、社民両党の不協和音が大きくなってきたとも伝えられています(24日 中国新聞)。


民主党が政権獲得を意識して現実路線に転向することは止むを得ないことです。しかしそれは多方面から批判されているように、過去の反対が反対のための反対であったことを露呈することになりました。

 それはまあ措くとして、民主党が次の選挙で単独過半数をとれなかった場合、参議院と同様、社民党の協力が不可欠という状況が考えられます。社民党がキャスティング・ボートを握る状況では、社民党は民主党と協力して国政を担うという責任感を持って現実路線に妥協できるのでしょうか。両者が連立すれば事態は少しましになると思われますが、連立の協議はこれからのことでどうなるかわかりません。

 連立できなかった場合、社民党は民主党に反対することによる自党のプレゼンスを優先する可能性はないでしょうか。責任を負うことなく、反対することが最大の「存在理由」であったような党だけに不安が残ります。

 社民党の公式ホームページには党の理念が載っています。その中に「非武装の日本を目指す」「在日米軍基地の整理・縮小・撤去を進める」などの文言があり、国際情勢の認識の点においても、政策の現実性においても疑問を感じます。長年にわたった朝鮮労働党との友党関係はいまだ解消されず、凍結されているだけです。非現実性が特徴である社民党と民主党の連立は簡単ではありません。もとより左から右までの寄り合い所帯と言われている民主党はさらに撹乱要因を抱え込むことにもなります。

 もし何らかの形での協力が不可欠となれば、民主党の選択の幅は狭くなり、左へ傾斜する可能性があります。その結果、民主党が掲げるマニフェストは実行が難しくなることが考えられます。

 社民党は1%前後(7月のNHK調査では0.6%)の国民に支持されている政党ですが、キャスティング・ボートを握ればその1%が政治を大きく左右する状況が生まれます。次回の総選挙は自公か民主かの選択ではなく、場合によっては自公か民主・社民の選択と捉えることが必要かと思います。

 政権党としての責任感のない立場では、民主党のバラマキには賛成しても、増税には大反対ということはあり得ます。政権が終わってみれば、国債残高が大きく増えただけ、ということが杞憂であればよいのですが。

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