インターネットを締め出す公職選挙法の不思議 - 松本徹三

2009年08月12日 08:08

日本が「変な国」であることを示す典型例をもう一つ見つけました。

以前の米重さんの提言に刺激されて、私なりにインターネットを活用して選挙を盛り上げる方法が何かないかと模索していたのですが、なんと現行の公職選挙法では、候補者がインターネットを使って選挙運動を行うことはおろか、選挙中は自らのサイトの更新すら出来ないのだということがわかりました。


サイトの更新は「文書図画の頒布」にあたるとされており、公職選挙法には一枚一枚に証書を貼ったビラの枚数まで規定されていますが、インターネットなどという摩訶不思議なものについては規定がないので、何をするのも駄目ということのようです。

ちなみに米国にいる友人に米国の状況を聞いてみたところ、インターネットは特に選挙期間は大活躍で、オバマ陣営は、どこでどう調べたのか彼のメールアドレスにコンタクトしてきて、政見を詳しく説明した上、「この考えにもし賛同して頂けるなら少しでもよいから献金してください」とまで言ってきた由です。HPを見て一回だけ質問したら、今でも毎週オバマ大統領の名前でメールがきて、色々なことを丁寧に説明してくるとのこと。

オバマ大統領選出にはインターネットの力が極めて大きかったことは定説になっていますが、このような体験談を聞くにつけても、また、その戦略を作ったのが、Facebookの共同創始者の一人であるChris Hughesだったことを知るにつけても、「成程なァ」と頷かされます。それにつけても、何故日本ではこんなにも事情が違うのでしょうか?

ある人に聞いたところでは、かつて民主党は「選挙活動にインターネットを解禁する法案」を上程したらしいのですが、自民党の反対で潰された由です。自民党が反対したということは、「日本でオバマ現象のようなものが起こることを嫌った」としか思えませんが、ということは、インターネットをいつも使っているような「チャラチャラした若い奴」は出来るだけ選挙に興味を持たせないようにして、「素性の知れた固定票」だけで勝負したいということなのかと、いやでも疑わざるを得なくなります。

ところが、そうでもなさそうなのです。

私のネットの先生である渡部薫さんが、「」というサイトを教えてくれましたので、早速アクセスしてみました。ここでは、まさに「オバマに出来たことが何故日本では出来ないのか」ということが議論されていて、「構想日本」の伊藤伸さんの公職選挙法の解説や、衆議院議員の河野太郎さんの発言などが詳細に掲載されており、なかなか勉強になったのですが、面白かったのは、ここに大々的に自民党のPRページが貼り付けられており、これがなかなかよく出来ているということでした。

自民党の先生方の中には、Mailも打てない方も相当おられるとは思うのですが、当然といえば当然のことながら、インターネットを駆使できる人も多くおられ、党としてはインターネットをフルにPRに使うすべもよく心得ているということが分かりました。

私なりの結論はこうです。

先ず、現行の公職選挙法は滅茶苦茶だということです。これは日本の恥といってもいいぐらいの代物だと思います。しかし、残念ながら、それを本気で改正しようという意欲とその能力を持った人が、これまではいなかったということです。

本気でやろうとする人がいれば、反対論の根拠を一つ一つ潰し、それこそインターネットをフルに活用して、幅広い人達の支援を取り付け、(祭りにしろとは言いませんが)問題を大きくして、必ず改正へと持ち込むことは出来たでしょう。

しかし、いつの時点でも遅すぎるということはありません。意見や感想を述べるだけでは何事も動かせませんから、組織的に人を動かす能力と、執念を持って実行する気力を持った人が、これから出てくることを期待してやみません。

松本徹三

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