新政権へのささやかな期待 - 松本徹三

2009年08月21日 13:00

私の一票がどう転ぼうと、日本の政治に影響が出るわけではもとよりありませんが、私も民主主義国の善良な一市民として、今度の選挙でどの党に投票しようかと小さな胸を痛めています。

当初は、「とにかく変化が起こってほしいから」というだけの理由で、民主党に決め込んでいました(こういう人は結構多いのではないでしょうか?)が、一向に「将来のビジョン」が見えず、そのうちに、何だか言うことが社民党の言うこととあまり変わらない気がしてきて、すっかり憂鬱になり、「まだ自民党の言うことの方が筋が通っているなァ」と思うことも多くなっていました。(こういう人も結構多いのではないでしょうか?)


「失礼な」とお叱りを受けるかもしれませんが、麻生首相も、総理大臣っぽくニコニコ笑って手を振っているとあまり様になりませんでしたが、最近、あたかも既に野党の党首になったかのように民主党の「ビジョンの欠如」を攻撃しているところを見ると、なかなか見栄えがしてきました。

しかし、最近は、また、「やはり民主党かなあ」と思うようになりました。それは下記の理由によります。

第一には、もしこのままの形勢で「圧勝」出来ると、社民党のような連立のパートナーにあまり気遣いをしなくてもよくなり、将来に禍根を残すようなこと(たくさんありそうなのが少し怖いところです)や、諸外国から軽侮されるようなこと(特に安全保障関係)をしてしまうリスクが減るということ。

第二には、「無駄遣いをなくせば、増税せずとも財源が確保できる」と言い切ってしまっているので、先ずはこれを必死でやらなければならないこと。(もともと「無駄遣い」などというものは、必死でやらなければ、到底撲滅出来るものではありませんが、追い詰められて必死でやれば、或いは期待以上の結果が出てくるかもしれません。)

そして、第三には、これも強く言い切った「脱官僚政治」が、或いはある程度うまく実現出来るかもしれないことです。

私は、「脱官僚政治」を実質的に進めるのは、「政」の能力からみて現状では不可能に近く、却って不効率を招くのではないのだろうかという疑念をずっと持ってきた(4月2日付の私のブログをご参照下さい)のですが、最近「立法」と「行政」のプロセスの実態に詳しい或る方に聞いたところでは、必ずしもそうでもないらしいいのです。

官僚と一口言っても、キャリアとノン・キャリアがあり、前者は決定に関与する人達、後者は決定には関与しないが、実際に調査、分析、書類作成の殆ど全てを行っている人達です。

そして、民主党が言っているのは、キャリアのポジションに「政」から人を送り込み、「決定プロセス」を「政」が主導しようということであり、ノン・キャリアは現状のまま温存されるわけです。従って、既存官僚機構の持つ「実務能力」の殆どは温存されるので、実際に仕事をスムーズに進めていくにはあまり心配はないというのが、この人の意見でした。

成程、そういわれればそうかもしれません。政治家や彼等に雇われたブレインがノン・キャリアの官僚と結ぶことになれば、キャリア組は口では「お手並み拝見」と冷静な素振りを示すでしょうが、内心は戦々恐々にならざるを得ないではないでしょうか? 結果として、これまでの過度の官僚支配に、待望の「風穴」があくこともありうるかもしれません。

松本徹三

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