責務を果たした日銀、次は政府の番ですね! ―前田拓生

前田 拓生

今回の日銀による金融政策は、「無担保コール翌日物」ではなく、いわゆる「ターム物」といわれる3か月物金利を0.1%に誘導しようという政策です。日銀はそもそも純粋期待仮説を想定して政策運営を行っているのですが、もう少し長めの金利(今回は「3か月物」)を低く誘導することで、より長い金利(例えば「長期国債利回り」)についても安定的に低く抑えることができるという考えに基づいているようです。


また現状、年末や年度末を控えて、資金が取れない事業者へ効果的に資金供給を行うためにも、この3ヶ月というのが効果的ということなのだと思います。とはいえ、少し穿った見方をすれば、財政規律が乱れるかもしれないということで、より長めの金利についても低め誘導できるのか否かを確認したいという意向があるのかもしれません。。。

まぁ、これは「穿った見方」ということだとしても、政府等が要請をしていた「量的緩和」は、やはり効果はあるものの悪影響の方が大きいということから、日銀としてはどうしても避けたかったのでしょう。しかし、金融緩和策として有効な手段を模索しなければならないわけであり、そのような中から「ターム物への資金供給」という新たな発想が生まれたということでしょうね。

今回、「ターム物をターゲットにした金融政策」だけに“普通の”金融政策ではないのですが、量的金融政策の弊害を考えれば、今回の策は妙策と言えると思います。

ただ世間では「緊急会合だから期待したのに」という声が聞こえてきています。実際、通常オペと差ほど変わらないので、見た目には「普通じゃん」と思うのでしょう。でも、ターム物を誘導するということになれば、それだけ、時間効果を強調することができるので、量的金融緩和と同じ効果がある上に、単に、日銀当座預金を増加させるということではない分、悪影響も少ないと考えられます。

金融政策は「(景気の)ブレーキ」にはなり得ますが、「(景気の)アクセル」にはなり得ないということは理解をすべきです。おカネをジャブジャブにしても、経済は良くなりませんし、悪い経済状況の時におカネがジャブジャブであれば、必ず、どこかでバブルが発生してしまいます。

その意味で、日銀は精一杯のことを行っているわけであり、ここからは財政政策ということになるのでしょう。(政府が自由に使える)おカネの少ない中、財政規律を守りながら、しかも、景気刺激を行うという非常に難しい課題ではありますが、日銀の政策を有効にするためにも、是非、有効性の高い財政政策を行ってほしいものです。