先週、仕事の打ち合わせで如水会館に行く機会がありました。神保町にあるこの施設は一橋大学の卒業生が利用できる施設になっているようで、お相手の方が会員ということで利用させていただきました。
中に入って驚いたのは、ランチをしているグループのほとんどが、70歳以上だったことです。もしかしたら私が最年少ではないかと思うくらいの「超高齢化社会」でした(笑)。
その理由を考えていると、人生にとって大切なものが何かが見えてきました。
大学の同窓生というのは、友達でもあると同時にライバルでもあります。30代、40代の頃はビジネスパーソンとして仕事で競争し、成功する人しない人に分かれてしまいます。成功しない人はどうしても同窓会に出席するのが億劫になってしまう。そんな世代です。
そして50代、60代になると、会社を定年退職したり、第2の人生を送ったりするようになります。そこでは、地位や肩書は関係なくなってきます。子供の教育や住宅ローンに追われる人もいたりします。経済力によって、ライフスタイルに大きな違いが出てくるのです。
しかし、それもさらに年齢を重ねると変わっていきます。70代になれば、食事も少量で済むし、旅行に出かけることも少なくなります。毎日の生活費もかからないようになって、貯金をする必要も無くなります。
この世代になると、地位もお金も関係ありません。「健康」に暮らしている人が、同窓会に集まってくるのです。
如水会館で見た、お年寄りのグループは、仕事で成功した人という訳でもなく、お金を持っている人という訳でも無さそうです。唯一の共通点は、健康な人ということです。
心と体が健康で、毎日楽しく暮らせること。それが、最後には一番大切なものだということが良くわかりました。
自分の夢や目標を実現するために、若いうちに一生懸命努力することは、とても美しく価値のあることです。しかし、成功しようと失敗しようと、人生の後半戦になると、結局あまり関係ないのです。
だから、努力しなくて良いということにはなりません。自分の努力が報われた時にはとても大きな満足感があるはずです。でも、そんな仕事の成功体験が無かったとしても、人生には大した影響はないということです。
昔を懐かしみながら、大学のOB・OGとして施設に集まって、楽しそうに話をしている人たち。
そこに健康で参加できるだけで、「人生の成功者」と言えるのではないかと思いました。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2014年4月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。