生き残りを賭けて一致団結する日本の自動車メーカー

アゴラ編集部

海外に生産拠点が移っているとはいえ、日本の製造業はまだまだ国内の中小企業など「系列」に負うところが大きいようです。東日本大震災でも大中小を含めた部品工場などが被災地にあったため、それ以外の遠方の工場までもが稼働停止し、その影響は一部海外の工場にまで波及しました。


日本の自動車産業は、いわゆる「カンバン方式」ともいわれるジャスト・イン・タイム(JIT)により、部品を含めた在庫を極力排し、あたかも血が巡るように部品などの供給量を合理的に調整しつつ、効率的な生産体系を構築してきました。中央道のトンネル崩落などのインフラ事故や天災などにより一部の供給でも「壊死」すれば、それが瞬く間に全身に回ってしまう、というJITの弱点が指摘されたのは記憶に新しいところです。

しかし自動車業界は、日本自動車工業会を中心にして東日本大震災時に一致団結し、部品供給などを融通しあい、JITによって蓄積したノウハウによって、いち早く生産を復旧させました。たとえば、今の自動車にとって不可欠なマイコン生産では、被災地にあったルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県ひたちなか市)の稼働再開が大きかったようです。同工場には全国の自動車メーカーなどから数百人規模の応援部隊が派遣され、当初は再開の見通しが立たなかったものを6月中旬には実現させたそうです。

また、弱点とも言われていたJITは、実は全体の需給体制の過不足を即座に洗い出し、これまで構築してきた企業間の連携により、有機的な再生を果たす役割をになった、と言われています。あの未曾有の大災害は、いったんは日本の自動車メーカー各社の世界シェアを減退させたものの、前述したような協力体制により半年もたたずに震災前のレベルを回復しています。

時に「護送船団」とか「オール・ジャパン」、「横並び」などと揶揄気味に語られることの多い日本企業なんだが、普段はライバルでもやはり一致団結すると独特の強みを発揮するようです。表題の記事によれば、国内の自動車メーカー8社が協同で産学連携の研究組織「自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)」を発足。これは、欧州勢に押されているディーゼルエンジンの研究開発などを行う組織です。

また、5月30日には、トヨタ、日産、ホンダ、三菱の4社が一緒になり、EV用の充電インフラを整備するための新会社「日本充電サービス(NCS)」を設立する、と発表して話題になりました。東日本大震災や中央道のトンネル崩落事故などの経験から急速に接近しつつある日本の自動車メーカー。現状、日本の自動車メーカーは、ただでさえ多いと言われています。あらゆる業界業態で合従連衡が急速に進む中、こうした生き残りを賭けた戦略は果たして成功するんでしょうか。

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「NCS」より

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国際競争力強化で日本の自動車産業が一枚岩へ!


Fish-Eating Spiders Lurk on Every Continent Except Antarctica
livescience
クモ類は肉食性の種類が多く、その対象は昆虫はもちろん同じクモ類、ナメクジなどの軟体動物から小型の爬虫類やほ乳類、鳥類にまで及びます。この記事によれば、さらに魚を補食するクモは南極大陸を除く世界中にいる、と書いている。水辺に潜み、魚が水面に浮かんでくる瞬間、神経毒を指して麻痺させ、食べるらしい。もちろん、これはサイズによります。魚が大きければ彼らは逆にエサになる。小さなメダカなんかには迷惑な存在なんだろうが、命がけの釣り、というわけです。

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確かに小銭入れの一円玉の数、増税前とそう変わりません。これは足りなくなってから騒いでもしかたないので、増産したのは当然だと思うんだが、妙な肩すかし感があります。それほどまでにキャッシュレスになってるのか、というわけ。電車賃などの公共料金も現金で払えばキリのいいところで割高になることが多いし、交通系ICカードを使えば当然、小銭は必要ない。便乗値上げが酷かった今回の消費増税。このへんは消費者の自衛策、ということになるんでしょうか。

なぜAKB保守派(右派)は行き詰まったのか
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よっぽど音楽CDが売れてないのか、AKBの曲が上位を独占してるようです。握手券とか投票権と交換するビジネスモデルなので、売れた枚数がファンの数とは限りません。このブログでは、AKBを保守右派とか改革派左派とかに分けている。どうやら創世記から苦労してきたメンバーと、売れてきてから入ったメンバーの間に「断絶」があるらしい。どこにも見かける世代間格差というかコミュニケーションギャップのようなものがあるんでしょう。しかし、政治思想の言葉も陳腐化し、アイドルの構造的な分析に用いられるしかない、というのも皮肉です。

Yellow Alert declared for Tungurahua Volcano in Ecuador
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噴火の続いているエクアドルのトゥングラワ火山について、エクアドル政府が警告段階を一段、引き下げた、という記事です。「黒い巨人」とも呼ばれるこの火山、4月上旬に噴火し、噴煙が成層圏にまで立ち昇りました。小康状態になり、警告がオレンジから黄色に変更されたらしい。しかし、まだまだ予断を許さない状態が続いているようです。


アゴラ編集部:石田 雅彦