「フルーツは健康に悪い」メディアのウソに物申す

黒坂 岳央

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

ネットの記事を見て回っていると時々見つけてしまうトンデモ健康記事!過去にもいくつか取り上げていますが

「夜バナナダイエットで痩せよう」→栄養失調で痩せるだけですよ

「赤ワインでポリフェノールを取ろう」→アルコールの害は無視ですか?

といったものがあります。それを見るたびに思うのは「PV稼ぎや著書販売目的のウソに騙される方が減りますように…」という気持ちです。

物事には必ず良い点、悪い点がある

世の中は白黒ハッキリしないことってたくさんありますよね?いわゆるグレー色のことです。たとえば夜バナナダイエットは「健康的でらくらく痩せる!」との主張ですが、いい面も悪い面もあるんですよ。バナナは間違いなく健康にいい食べ物なので、そこは否定しません。でも、決して完全食品ではないので、夜ご飯をバナナだけにしてしまうと多くの場合は栄養不足で痩せることになります(詳しくは過去の記事をご覧ください)。

赤ワインには健康的なポリフェノールが含まれていますが、同時にアルコールを摂取することにもなるので飲みすぎると体に悪いです。極端なことをいえば「ミネラルウォーター」も飲みすぎると「水中毒」になるので、無理やり不健康!とも主張出来なくはないのですがそれをいう人はあまりいません。

あなたに理解してもらいたいのは、「メディア(情報発信者)が読者を操作しようとしている」ということです。

「こういういい面とこういう悪い面がありますよ」という正しい言い方より、「絶対にこちらが正しい!あっちは間違いだ!これを買え!」と極端な言い方の方が人を引きつけますし、PV数が増えて著書も売れたりします。

フルーツは体に悪い!?ウソを言わないでください!

先日「フルーツは体に悪い!」というウソの記事を見てしまいました。ハッキリいって憤りすら感じましたね!責任を追求されるような表現を巧みに避けつつ、キャッチーな部分をグイッと突きつけて

「ほらほら!フルーツはこんなにダメなんだよ!(詳しくは著書の中で紹介していますよ)」ということをいっています。とりあえず論破させてもらいます!

「フルーツは実はヘルシーではない?」

と読者の関心を引きつけておき、

「甘い果糖は中性脂肪に変わり肥満の原因。血糖値も上げるので病気の原因になる(フルーツは体に悪い!)」

としています。思わず 「はぁー…」とため息をついて肩を落としたくなるような適当な話ですよね!

はい、認めましょう!確かに果物には果糖が含まれており、果糖は摂りすぎると血糖値をあげて肥満の原因になります。でも問題はその量。健康を害するくらい果物を食べようとするのはかなり難しいですよ?

「毎日くだもの200グラム」という農林水産省のサイトにこう書かれています。

動物実験で果糖が中性脂肪を増やすという結果が出されているものがありますが、これは総摂取エネルギーの20%を果糖で摂取した実験の場合の話で、この実験で用いた量を2000kcal摂取の人間に置き換えると、何とみかんで50個以上食べることになります。

引用元:毎日くだもの200グラム

みかん50個を食べると体に悪いとありますよね?これってどうでしょうか??

「毎日みかん50個を食べ続けると健康を害するので気をつけて!」と警鐘を鳴らす記事が果たして有益な情報提供をしていると思いますか?

むしろ「毎日みかん50個も食べられるわきゃねー!むしろ資金がもたねー!!」ってなりますよね?そうは書かず、「果糖で血糖値上昇→肥満」と書くことで「あー、果物は健康に悪いんだ。太るから気をつけよう」と本来心配しなくてもいいことで読者をミスリードさせる…これは害悪といっていい記事だと思います。

生きるレジェンドが果物の健康効果を証明してくれる

フルーツのトンデモ健康法を主張し、書籍やPVを稼ぎたい人たちを論破するには最高のお話があります。それは6年半フルーツのみで超健康体を維持している生きるレジェンド、フルーツ研究家の中野瑞樹さんです。

中野さんは6年半他の食べ物はおろか、水すら口にしていないそうです。中野さんが生まれつき、フルーツに愛された申し子かというとそんなことはありません。ごく普通の肉体を持った方ですが、フルーツオンリー食でも健康そのものだといいます。

「フルーツは体に悪い!」

と鼻息荒く語り、商売っ気たっぷりの方々は、フルーツばかり食べている野生の動物や、中野さんの存在をどう論破するんでしょうね?

…まあ日本人は自分の意見を表現する自由を与えられているので、今日はこのくらいにしておきましょう!私も言いたいことをいってスッキリしました。彼らが適当なことをいうのは自由ですが、私も害悪なウソ情報を流しまくっているメディアに対抗して、正しい情報を頑張って発信するだけです!!

でも食べる量とタイミングは確かに重要

一応、この記事を叩くだけでなく、フルーツの注意点もピックアップしておきましょう。果物も100%完璧なものではなく、食べる量とタイミングを誤ると健康によくありません。

手軽に買えて、安くて甘いからといって毎日バナナばっかり食べていると、さすがに栄養は偏ります(先ほど例に上げた中野さんは、多種多様のフルーツを食べて健康を維持しているそうです)。そして食後より食前の方が健康にいいですし、夜食べるより朝の方がさらに健康効果は望めます。

物事を一部分しか見ないことを「単眼思考」といいます。健康も世の中も複雑に絡み合ってできているので、その思考では本質を見誤ってしまいます。

「これが健康にいい!」というキャッチーな主張に何も考えずに飛びつくのではなく、冷静に、複合的に物事を見て自分にあった健康法に取り組んでくださいね!

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。