日本の政治家にとって今は朝日よりも文春砲の方が脅威のようである。
朝日が攻撃しても産経や読売、時には日経まで朝日の反対側に回ることがあるから、結果的に朝日の攻撃力は半減する。
朝日が死んだ、とまで評されるような時代が到来するとはとても想像できなかったのだが、今の朝日は世論を大きく動かすだけの力はなくなったようだ。
何しろ若い方々が新聞をあまり読まなくなっているのだから、新聞が社会をリードする、とか、新聞で社会をリード出来る、などとは思わない方がよさそうである。
新聞を読む人は、大体は複数紙を購読し、テレビも見るだろうし、ネットでも情報を収集するだろうから、割りに冷静に物事を判断するようになるのではなかろうか。朝日がいくら護憲の旗を掲げ、自民党安倍政権に対して批判的な論陣を張っても、世間では結構改憲派が堅調で、自民党安倍政権に対しての支持率もそう大幅に低落することはない。
それだけ自民党安倍内閣のマスコミ対策が周到だということだろうが、朝日だけでは世論を左右することは実に難しい。
しかし、文春砲を始め週刊誌の威力は、凄まじい。
あの民進党の代表選挙は何だったのか、と思わせるほどに、民進党の中での党再生の努力を一気に無効化させるくらいの力を発揮している。
いくら前原氏が民進党再生のために動いたとしても、まず何の効果も上らないだろうと思う。
勿論、枝野氏でも何の役にも立たない。
岡田氏も菅氏も役に立たないだろう。
執行部を離れて、如何にも洞が峠を決め込んでいるように見える江田氏も、民進党の立て直しには役に立たないはずである。
まだお手上げのバンザイをする時期ではないが、何をやっても糠に釘、といったところか。
もう少し待っていれば文春砲の効果が薄れるのではないか、と思っていたが、どうも甘かったようだ。
今は、ネット社会の世論形成力が無視できないほどに大きくなっている。
ちょっと水を掛けたくらいでは、なかなか火が消えそうにない。
まあ、ガソリンを撒いたわけではないからいずれは消えるとは思うが、どうも今の火勢は当分弱まりそうにない。
やはり、政治家は文春砲の攻撃を受けそうな軽率なことは絶対にしてはならない、ということだろう。
皆さん、よくよく自重自戒されることですね。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年9月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。